今回は、決算書における「荷為替手形」について解説します。
荷為替手形とは
遠方にある取引先に商品を売り上げる場合、商品が取引先に到着したとに代金が支払われるため、代金の回収が遅くなります。
そこで、代金の回収を早期に行うおく的で、売主は運送会社から受け取った貨物代表証券を担保にして、自己受為替手形を振り出し、これを銀行で割引くことがあります。
これを荷為替の仕組みと言います。
この時振り出した手形を荷為替手形といいます。
商品の代金は、商品が取引先に到着した後に支払われます。
特に海外の取引先に商品を売り上げる場合には、商品の到着にも時間がかかりますし、代金の支払期日も長く設定されているため、商品の発想から代金の回収まで、長期間を要します。
このような場合で、早期に代金を回収したい時に、に為替手形が用いられます。
例えば、ある会社(売主)が海外の会社(買主)に商品を船便で発送したとしましょう。
売主が商品の発送を運送会社に依頼すると、運送会社から貨物代表証券(船荷証券)が発行されます。
早く代金を回収したい売主は、自己受為替手形を振り出して、これを銀行で割り引き、現金等を受け取ります。
ただし、この時点では、買主による為替手形の引受が済んでいないため、買主は担保として貨物代表証券を銀行に渡します。
これを荷為替の仕組みと言います。
更に、荷為替の取組額は通常、商品代金の70〜80%です。
その後、買主は銀行から売主が降り出した為替手形の引き受けを求められるため、これを引き受け、貨物代表証券を受け取ります。
貨物代表証券を受け取ることによって、買主は商品の到着後、貨物代表証券と引き換えに、商品を受け取ることができます。
上記のように、荷為替を取り組むことによって、売主は代金の一部を商品の到着前に受け取ることができます。
関連記事→決算書における【 外貨建荷為替手形 】分かりやすく解説
荷為替手形の処理
荷為替手形の売主と買主の処理は次の通りです。
売主が荷為替手形を取り組んだ時
荷為替手形を取り組んだときは、
①自己受為替手形の振り出し
②自己受為替手形の割引
を合わせた処理をします。
買主が荷為替手形を引き受けた時
荷為替手形を引き受けたときは、通常の為替手形を引き受けた時と同様、支払手形で処理します。
また、荷為替手形を引き受けると、貨物代表証券を受け取るため、未着品を計上します。
買主が商品を受け取った時
貨物代表証券と引き換えに商品を受け取った時は、未着品から仕入に振り替えます。
まとめ
株式投資・経営において、決算書の理解は必須になります。
その際、簿記の知識も生かして決算書の理解を深めましょう。
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