今回は、「同一物間選択」について解説します。
同一物間選択とは
同一物間選択とは、等価な価値を持った複数の選択肢から1つの選択肢を選ぶ場面のことです。
例えば、スーパーマーケットで、同じ品質が陳列されている棚から1つの品質を選択する場合や、目的地まで等価なルートが複数あるとき、そこあら1つのルートを選択する場合などです。
このような場合、両端のどちらか一方といった偏った選択肢を選ばないなど、行けるところまで進んでから曲がるようなルートを好むといった、ある特定の選択行動が現れることが分かっています。
そして人間はよく好きなものを選択肢から選ぶと言われています。
そして「好き」を測ったり理解したりするために、それを選好という言葉に置き換えて、選好度や選考の形成が論じられたりします。
しかし、これまで見たこともないさまざまな選択肢がたくさん並んでいたり、同じ選択肢ばかりがたくさん集まっていたり、さらには選びたいものが見つからなかったりする場合はどうでしょうか?
それでも人間は何らかの選好によって、選択肢のどれかを選ぶのでしょうか?
それとも何か別の方法で選択するのでしょうか?
説明していきます。
第一実験
第一実験では、両端からの商品選択が避けられています。
しかし買い物客は中心部の列が入れ替えられるのが速いということを知っていて、新しい製品を手に入れるべく中心部の列から選んでいる可能性があります。
第二実験
第二実験は、上記のような入れ替えのスピードが速いということ、つまり新鮮さが問題にならない場面を考慮した実験です。
第二実験の場合でも、明らかに中心部に選好が示されていました。
ただこの実験でも、わずかな便利さの違いが選好の中心化傾向として現れたという批判があるかもしれません。
第三実験
第三実験では、その点も避けるために、全く同じものが単に並べられました。
そして第三実験でも、明らかに両端は避けられ、中心部が選好されたのです。
彼の研究での知見は、別のフィールドでも確認されています。
複数回の選択を許した実験
しかし、アタリ氏らによると、複数回の選択を許した場合には少し異なる結果が得られます。
彼らはフォーク氏の研究をまとめ、くじ引きのように考えて10×10のセルからなる行列に10個印をつけることを求めたところ、行列の緑の部分は、上の研究のようにほとんど選ばれないという共通の結果が得られました。
(中央値は2で、ランダムに選ばれた場合のほぼ半分の値)が、中心領域もそれほど選好されなかったと報告されています。
更に彼らは、5×5の行列に3個印をつける実験でも、様々な教示のもとで緑の部分が避けられる一方、ちょうど真ん中のセルも避けられていたと述べています。
そして、四隅と真ん中のセルを取り除くと、緑の部分に比べ内側部分にさらに多くの選好が見られました。
結論
同一物間での、こうした特徴的な選択行動を説明するのに、クリステンフェルドは真的努力の最小化という考え方を提案しています。
つまり、忙しい買い物客は同じものから1つを選ぶのに、できるだけ手間をかけないようにしているのだということです。
一方、スーパーマーケットの事例で見てきたように、製造年月日の古いものほど端のように寄せられていることを経験した買い物客は、生活の知恵として次第に中心部を選択するようになった可能性もあります。
未だにこれだけの証拠からは、この2つを区別することも、またこれ以外の理由も判明されていません。
まとめ
この例はスーパーマーケットにおいては、努力の最小化のために中心部が選ばれる傾向があるということがデータ化されています。
しかし、顧客のスーパーマーケットでの学習の結果(端に賞味期限の短いものが並べられている傾向があるから避けるという学習)から中心部が選好されている可能性もあるということです。
このように曖昧な結果が出ることがありますが、そのマーケットの種類によっては人々の傾向がデータ化されて分かっているということです。
全体での傾向は導き出すのが難しいですが、ある1種類などの特定されたマーケットでは人々の傾向がデータ化できるため、実際にデータを取って分析してみると利益に繋げることができますね。
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