今回は、「分散型台帳技術」について解説します。
分散型台帳技術とは
分散型台帳技術とは、分散型のデータベース（台帳）を実現する技術です。
ネットワークを構成する複数のノードが同一のデータベースを保持し、発生した変更に応じて各ノードの分散型台帳が更新されます。
※分散型台帳とは→【 分散型台帳技術とは 】ブロックチェーンとの違いまで分かりやすく解説
詳細
クライアントサーバモデルのような中央集権型ネットワークとは異なり、特権的なノードを必要としないため、公平なネットワークを構成することが可能です。
更に、分散型台帳は、電子著名とハッシュポインタを用いることにより、改ざん検出が容易なデータ構造を実現しさせています。
そのため、透明性・検証性・監査性を担保します。
したがって、金融・サプライなど、多くの利害関係者が関与し、監査などが必要なネットワークに導入することができます。
分散型台帳の更新は、あらかじめ決められたルールにより行われています。
そのため、各ノードの投票によって更新内容が確定することもあったり、特定少数のノードのみが合意形成プロセスに参加することもあります。
分散型台帳・ブロックチェーンの違い
分散型台帳とブロックチェーンの違いについてい解説します。
構成の違い
分散型台帳技術は、必ずしもブロックで構成されているとは限りません。
分散型台帳を実現する方法はいくつかあり、Hashgraph（ハッシュグラフ）などが開発されています。
それに対し、ブロックチェーンは、ネットワーク上のトランザクション群をブロックとしてまとめて処理し、暗号学的ハッシュ関数によって、各ブロックがリンクしたデータ構造になっています。この台帳（ブロックチェーン）がネットワーク上で決定され、各ノードはその台帳を計算・他のノードとの通信によって自律的に構築します。
消費電力量の違い
分散型台帳技術は、全てのブロックを検索することができる特定のシーケンスは必須ではありません。
つまり、分散型台帳技術では、電力消費を前提とするアルゴリズムを必要としません。
分散型台帳技術では、データへの信用にかかる消費電力を抑えることができているのです。
それに対し、ブロックチェーンは、特定のシーケンス内で、全てのブロックを検索することができます。
ブロックチェーンの多くは、ビットコインのようにプルーフオブワークを採用しています。
このアルゴリズムは膨大な計算が不可欠で、ASIC（Application Specific Integrated Circuit）を動かすために大量の電力が必要となります。
例えばビットコインであれば、国家の40番目に消費で力が高いほどの消費量です。
また、プルーフオブワークほどではないが、プルーフオブステークというその他のコンセンサスアルゴリズムもある程度の電力を消費します。
ブロックチェーンは計算に伴う電力消費と引き換えに、ネットワーク上の承認済みトランザクションへの信頼性を担保しているのです。
トークン
分散型台帳技術は、ネットワークへの参加が許可型であることが多く、トークンを開発する必要がありません。
多くのブロックチェーンは、トークン（仮想通貨）の存在を前提としています。
トークンは、不特定多数のノードに対して膨大な計算をするインセンティブとして機能しており、ネットワークのセキュリティ向上に役立っています。
最近のコメント