今回は、マーケティングにおける「リピート購買・ブランドロイヤリティ」について解説します。
リピート購買・ブランドロイヤリティについて
消費者の購買行動は反復性を持ちます。
企業にとって、自社製品や特定のブランドが繰り返し購入されることは、マーケティング活動の効果指標として非常に重要です。
購買を反復性から見ると下の流れです。
第一回目のトライアル(試しに買ってみる)
↓
第二回目のトライアル
↓
反復して同一ブランドが購入される
購入経験のあるブランドに対して使用後の満足度や評価が高い場合、次の購買機会にも同一ブランドが反復して選択されることにつながります。
満足度が低ければ、リピート購買は起こりにくくなります。
リピート購買はブランドロイヤリティ(ロイヤルティ)の形成と密接な関係があり、製品関与(消費者の製品に対する関心度や重要度)の水準や知識の形成と関連しています。
2種類のロイヤリティ
ブランドロイヤリティには、行動的なロイヤリティと態度的なロイヤリティの2つの側面があります。
行動的なロイヤリティ | 同じブランドが反復的に購入される行動 |
態度的なロイヤリティ | 特定のブランドに対して好意的な展開が形成される心理 |
ブランドロイヤリティの形成に影響する要因をモデル化し、ロイヤリティ形成を促進する要因と阻害する要因から説明しています。
消費者のブランドに対する好意的なロイヤリティ形成を促進する要因として以下の3つを挙げています。
①ブランド・パフォーマンスの適合性 | 全体的にブランドの品質が優れているだけではなく、消費者の細かになニーズに応えることができているかという側面 |
②ブランドへの社会的・感情的同一化 | あるブランドを所有することによって得られる社会的なイメージが自分のイメージと合致するかという感情的同一化の側面 |
③ブランドの使用習慣と長期の使用履歴 | 同一のブランドを繰り返し長く使用することで親近感や心地よさを感じることを意味している側面 |
特定のブランドに対してこれらの要因が満たされるほど、消費者は好意的なブランドロイヤリティを形成する可能性が高くなります。
他方、ブランドロイヤリティの形成を阻害する要因を、マーケット要因と消費者要因からモデル化しています。
マーケット要因
マーケット要因には、ブランドパリティと競合ブランドのプロモーション活動があります。
ブランドプロパティ | 製品クラス内で類似したブランドが多く存在し、どのブランドを選択しても大差がないことを意味 |
競合ブランドのプロモーション活動 | 値引きなどによる販売促進活動が積極的に展開されると、好意的なロイヤリティが形成されているブランドから競合ブランドへスイッチする可能性が高くなることを意味 |
これらの要因の影響が強くなると、ブランドロイヤリティが形成されにくくなります。
その消費者要因として、バラエティシーキング・関与の欠如・価格感受性などを挙げています。
バラエティシーキングとは、同一ブランドではなく、様々なブランドを試してみたり、ブランドスイッチする行動です。
そして関与が欠如すると、低関与の製品クラスにおいては特定ブランドへの好意が形成されにくいです。
また、消費者の価格感受性が強くなると、競合ブランドの値引きなどに反応しやすくなり、これらの要因の影響が強くなると、グランドロイヤリティが形成されにくくなります。
成功的なマーケティング戦略は、長期間にわたって消費者のロイヤリティを獲得することであると言っても過言ではありません。
どのような要因が好意的なロイヤリティを形成するために貢献するのか、逆に、ロイヤリティの形成を阻害する要因はどこにあるのかを確認し、マーケティング戦略を構築することが重要となります。
まとめ
同じブランドが反復的に購入される行動としての行動ロイヤリティ・特定のブランドに対して好意的な展開が形成される心理としての態度的なロイヤリティという、ブランドロイヤリティのお話でした。
リピートして購入していただくには、ブランドロイヤリティが大切です。
また、反対に、大差がなく似たようなものが多かったり、値引きなどをしてしまうとブランドロイヤリティが形成されにくいということです。
マーケティングに関しては、ブランドロイヤリティも意識して組み込みましょう。
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