【 賃借対照表の読み方 】流動と固定の違い・流動資産・流動負債・純資産まで解説

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決算書のうちの、「賃借対照表の読み方」について説明します。


目次

1.賃借対照表の読み方

2.「流動」と「固定」の違い

3.流動資産・流動負債・純資産の詳細



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貸借対照表の読み方

資産・負債・純資産 をピックアップします。

定義勘定科目
資産会社が持っている現金・預金・販売用の商品・土地や建物等の
財産や法的権利
現金
普通預金
有価証券
売掛金
土地
建物
機会
設備
負債銀行からの借入金や仕入れ先等に後日払わなければならない法的義務買掛金
借入金
社債
純資産株主から出資してもらったお金や会社が稼いだ利益の累積
資産から負債を差し引いた正味の財産
資本金
資本剰余金
利益剰余金

例えば、資本金が1000万円の会社は必ず金庫に1000万円あるとは限りません。

実際に確認できるのは資産のみで、負債と純資産はお金の調達ルートを表わしているだけです。


負債は、将来返さなけらばならないお金です。

純資産は、将来返す必要のないお金です。

負債と比較して純資産が多ければ多いほど安全な会社です。

安全性が高いということは、破綻しにくい会社ということです。


自己資本比率 = 純資産 ÷ 資産 × 100

この自己資本比率は、財務判断の上で非常に重要です。

自己資本比率がが80%以上であると、安全性は極めて高いと言えます。



「流動」と「固定」の違い

定義具体例
流動資産資産のうち1年内に現金化されるもの現金
普通預金
売掛金
有価証券
固定資産資産のうち現金化するのに1年を超えるもの土地
建物
機械装置
車両運搬具
のれん※
流動負債1年内に支払わなければならない責務買掛金
短期借入金
前受金※
固定負債支払期限が1年超の債務正気借入金
社債
退職給付引当金

※のれんとは・・・「超過収益力」または「ブランド価値」。見えない資産価値のこと。M&A(企業買収)をした時に発生し、買収された企業の時価評価純資産と、実際の買収価額の差額のこと。

※前受金とは・・・まだ顧客への商品の提供が終わってないもののこと。前金や内金、手付とも呼ぶ。



つまり、

流動 = 1年内

固定 = 2年超

という違いです。



ここで注目すべきは、流動資産と流動負債です。

流動資産(1年以内に現金化されるお金)よりも流動負債(1年以内に払わなければならないお金)が大きいということは、1年後にお金がなくなる(破綻する)ということです。

しかし、銀行への返済を遅らせたり追加で借金をしたりして、延命処置をするため、流動資産より流動負債が大きい会社は必ずしも1年後に破綻するとは限りません。

このような会社は安全性が低いです。


会社の安全性はこの大小を比較することで読むこともできます。

流動負債よりも流動資産の方が大きい会社が安全性が高いです。



流動資産・流動負債・純資産の詳細

流動資産の詳細

現金
預金
有価証券
リスク無しいつでも換金可能
売掛金貸倒れリスク必ずしも換金できるとは
限らない
棚卸資金在庫リスク必ずしも換金できるとは
限らない

流動資産には、換金(現金化)が確実なもの不確実なものがあります。

実際、流動資産には、様々な項目(勘定科目)が含まれています。

勘定科目の構成は会社によって異なります。

現金及び預金・有価証券・売掛金・商品・製品等の棚卸資産・貸倒当金などが流動資産の中に含まれています。

このうち、現金及び預金は金庫の中や預金口座に入っており、いつでも引き出すことは可能です。

また有価証券は、資産運用のため一時的に保有している上場株などを意味しますが、これも証券会社を通じていつでも売却して換金することが可能です。

したがって、現金及び貯金・有価証券は換金がほぼ可能です。

これに対し、売掛金・棚卸資産等は必ずしも換金が確実ではありません


売掛金とは、商品やサービスを顧客に提供したものの、その代金がまだ未回収のものです。

通常であれば回収期限が到来したら顧客から代金が振り込まれるのですが、払われずに踏み倒されるというリスクが付きまといます。

これを貸倒リスクといいます。


棚卸資産とは、仕入れ先から購入した商品や製造した製品等がメインです。

このほか、製造途中の製品である仕掛け品や、製品のもととなる原材料なども含まれます。

これらも通常であれば時期が来れば顧客に販売することで換金することができますが、売れ残りリスクがあります。

原材料も大量に仕入れすぎて使いきれずに廃棄処分となるリスクもあります。

これらは、在庫リスクといいます。

したがって、棚卸資産も流動資産ではありますが換金性は確実とは言えません。

つまり、売掛金・棚卸資産は少ない方がより安全性が高いです。

流動負債の詳細

買掛金
支払手形
借入金
お金を支払う義務義務の履行
=お金の支払い
前受金商品・サービスを提供する義務義務の履行
=売上計上

流動負債は、借入金に体表されるように、そのほとんどが将来お金として出ていくものですが、例外もあります。

その例外とは、「前受金」の項目です。

前受金は、将来お金が出ていくものではありません。

「前受金」とは、顧客に商品やサービスを提供する前に、先にその代金を受け取っているという状態です。

受け取った金額が前受金として流動負債に計上され、商品やサービスが実際に提供されると、その都度前受金が取り崩されるという仕組みになっています。

つまり、同じ流動負債でも、買掛金や借入金は「お金を支払う義務」であるのに対し、

前受金は「商品やサービスを提供する義務」を負っているということであるため、将来お金が出ていくものではないです。

前受金が計上されていたら、ほぼ確実に、近い将来同額の売上が計上されます。

そのため前受金のみ、沢山あった方が良いものになります。

純資産の詳細

純資産は、性質が異なる2つの種類に分けられます。

・株主から集めたお金である「資本金」「資本剰余金」

・自社で稼いだお金の蓄積である「利益剰余金」

※利益剰余金とは→決算書における【 連結貸借対照表の利益剰余金の求め方 】分かりやすく解説


会社によって、純資産の内容は全く異なっています。

「資本金」「資本剰余金」(株主から集めたお金)より、

「利益剰余金」(自社で稼いだお金)が多い方が、安全性が高いです。

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