今回は、決算書における「役務収益」「役務原価」について解説します。
役務収益・役務原価とは
商品売買業では、商品という形のあるもので取引が行われますが、サービス行ではサービスという形のないもので取引が行われます。
このようなサービスのことを役務と言います。
役務の提供による営業収益を役務収益と言います。
それに対応する費用を役務原価と言います。
商品売買業における売上が、サービス業では役務収益となります。
また、商品売買業における売上原価が、サービス業では役務原価となります。
役務収益の計上
サービス業においては、通常、サービスを提供したときに収益を計上しますが、市各区試験の受験指導サービスを行なっている会社など(一定期間、継続してサービスを提供している会社)では、
①カリキュラムの進度に応じて収益を計上する場合
②全カリキュラムが終了したときに一括して収益を計上する場合
があります。
ここでは、資格試験の受験指導サービスを行なっている会社を例に説明します。
カリキュラムの進度に応じて収益を計上する場合
代金を前受けしたとき
サービスを提供する前に代金を受け取ったときには、まだ役務収益を計上することはできず、前受金として処理しておきます。
サービスの提供に先立ち、費用を支払ったとき
サービス業においては、サービスを提供したときに収益を計上するとともに、そのサービスの提供分にかかる費用を計上します。
そのため、まだ提供していないサービスにかかる費用については、仕掛品という勘定科目で処理しておきます。
決算時
カリキュラムの進度に応じて収益を計上する場合では、決算時において、先に前受けしている受講料のうち、カリキュラムが終了している分だけ前受金から役務収益に振り替えます。
全カリキュラムが終了したとき
全カリキュラムが終了したときには、残りの期間分について、役務収益及び役務原価を計上します。
「代金を前受けしたとき」、「サービスの提供に先立って費用を支払った時の処理」に関しては、カリキュラムの進度に応じて収益を計上する場合と同様です。
関連記事→決算書における【 収益・費用 】認識基準・サービス業の処理まで解説
まとめ
株式投資・経営において、決算書の理解は必須になります。
その際、簿記の知識も生かして決算書の理解を深めましょう。
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