今回は、仮想通貨「UMA」について解説します。
UMAとは・創設者・特徴・供給量・投資における将来性、の順で説明していきます。
UMAとは
UMAとは、イーサリアムブロックチェーンに基づく合成資産生成のためのプロトコルです。
合成資産とは、同じ価値を持つ異なる種類のセットクラスをまとめた資産のことです。
UMAは、Unibersal Market Accessの略称です。
UMAは2018年にローンチされました。
UMAは、特に経済的インセンティブによって保護された自己実行型・自己執行型の金融コントラクトを設計および作成しています。
そしてイーサリアムのブロックチェーン上でそれらを実行することを可能にします。
UMAは、実世界の金融デリバティブをデジタル化し、自動化します。
具体的には、先物・差金決済取引(UFD)・トータルリターンスワップなどです。
また、他の仮想通貨と同様に、デジタルアセットに基づく自己実現型のデリバティブコントラクトの作成を可能にします。
UMAの公式ホームページはこちらです。
創設者
UMAは、Goldman Sachs社の取引フロアで知り合ったHart Lamnur氏及びAllison Lu氏によって共同設立されました。
Hart Lamnur氏
2005年に、Lambur氏はコロンビア大学でコンピュータ科学の学位を取得しました。
UMAの共同設立に加え、UMAプロトコルの開発を担当するRisk Labs社のCEO兼共同設立者でもあります。
UMAとRisk Labs社以前は、コロンビア大学でリサーチアシスタントとして勤めていました。
ゴールドマンサックス社で国際トレーダーとして勤めていたこともあります。
また、2017年にStone Ridge Asset Management社に売却された個人金融追跡プラットフォームであるOpenfolio社を創設しています。
Allison Lu氏
Allison Lu氏は、マサチューセッツ工科大学と経営学の学位を取得しています。
2009年から2015年の間、彼女はLambur氏と知り合ったゴールドマンサックス社で副部長として勤めていました。
Lu氏は金融サービスモバイルアプリTalaで信用リスク分析に関する部門の副部長の役職に就いていました。
また、イーサリアムベースのピアツーピア(詳細→【 ピアツーピア(P2P)とは 】分かりやすく解説)融資プラットフォームであるOne Daijoでアドバイザーを務めました。
特徴
合成資産生成
Unibersal Market Accessの背後にある主なアイディアは、その名称に反映されています。
ブロックチェーン上の合成資産と金融コントラクト作成のためのプロトコルを開発することによって、金融デリバティブ市場を民主化し、分散化しようとしています。
伝統的な金融市場は、規制や管理要件により参入する障壁が高いです。
そのため、個人の参加を妨げる傾向があります。
トレーダーや投資家がローカルな金融システム以外の市場に参加することは特に困難な傾向があります。
これは、包括的な世界金融市場の出現を防いでいるのと同様です。
そして必要なデューデリジェンスと法的手続きができる少数の機関への参加を制限することに繋がります。
一方、UMAコントラクトは、イーサリアムのブロックチェーンに基づいています。
その分散的な性質により、世界中のどこからでもデジタル化されたデリバティブを作成・実行・取引することができます。
このアクセシビリティは、金融機関が満期を達成しづらいです。
そのため、現地市場参加者が相対的な孤立状態に陥っている世界中の途上国にとって特に重要です。
ガバナンストークン
UMAは、Universal Market Accessプロトコルのガバナンストークンです。
※仮想通貨における【 ガバナンストークンとは 】詳細まで分かりやすく解説
そのため所有者は、プロトコルのパラメータとシステムのアップグレードの変更に投票する権利があります。
PoW
UMAはイーサリアムブロックチェーン上で動作しています。
そして、当時のイーサリアムと同様のProof of Work(PoW)のハッシュ関数によって保護されています。
※Proof of Workとは→仮想通貨における【 PoW・PoSの違い 】どちらが良い?
供給量
UMAの総供給量は1101,172,570トークン強です。
総供給量から、プロジェクトの最初のICO(詳細→仮想通貨における【 ICOとは 】歴史・機能・条件・規制・リスク/IPO・IEOとの違いまで解説)しました。
配分は次の通りです。
・200万トークン:売却
・4850万トークン:プロジェクトの創設者のための留保
・3500万トークン:開発者のための報酬として留保
・14500万トークン:将来の売却
投票者の参加を促すために、ネットワーク上で投票プロセスが行われるたびに、現在のUMA供給の0.05%に相当するインフレ報酬が現在のステークに比例してアクティブな有権者に分配されます。
投資における将来性・まとめ
UMAは、合成資産の生成のプロトコルです。
従来の金融市場は、規制や管理条件が厳しいため、参加できないユーザーが多かったということを問題視しています。
そしてUMAは分散型にしているため、ユーザーが参入しやすくなっています。
そのため、世界流で取引ができるようにし、金融市場の幅を広げるとのことです。
このジャンルは中央集権から分散型のまさに移行の事例ですね。
ただしデメリットもあるはずです。
それは、規制により抑えることのできていたリスクが浮上するということでもあります。
現在はまだ問題になっていませんが、これから問題が発生することもあります。
手数料の観点や、貧困層にも参加できるという点では、需要があるでしょう。
金融の資産は変わらないため、ユーザーは簡単に取引ができて手数料の安い方を選ぶでしょうね。
ただし、2022年のステーブルコインのようにペッグが外れないかということはリスクとして存在し続けるため注意です。
今後需要が増加していきそうなので、その成長を見るのが楽しみですね。
ただ、コンセンサスメカニズムがPoWのため、環境の良いPoSに移行した方が安心ですね。
そして移行は難しいため、環境的に問題視されると、長期的にみてPoWという理由で厳しい可能性があります。
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