今回は、株式投資における「譲渡制限付株式報酬」について解説します。
譲渡制限付株式報酬とは
譲渡制限付株式報酬とは、一定期間の譲渡(売却)が制限された株式のことです。
譲渡制限付株式は、英語で「Restricted Stock」と言います。
この略称は「RS」です。
アメリカでは、従業員への株式報酬の1つとして取り入れていることが多いです。
現在では、日本の株式報酬にも導入されています。
割当対象者にとって、株価低迷時にも株式の価値が無くなることがないため、インセンティブ効果が確保され、配当請求権も行使できるという良い特徴があります。
配当請求権とは→株式投資における【 利益配当請求権とは 】分かりやすく解説
しかし会社にとっては、一定期間の譲渡制限があるため、割当対象者に対してリテンション効果(優秀な人材の繋ぎ止め)が期待できます。
譲渡制限付株式報酬のシステム
譲渡制限付株式報酬では、一定期間の譲渡制限が付された株式を役員などに割り当て、期間経過後に譲渡制限を解除するため中長期の株価向上インセンティブが継続できるシステムになっています。
譲渡制限付株式報酬の流れは下記です。
①金銭報酬債権支給
発行会社が金銭報酬債権を役員などに支給します。
②払込(現物出資)
役員などは金銭報酬債権を現物出資財産として払い込みます。
(実際の金銭の移動は伴いません。)
③株式交付(譲渡制限設定)
発行会社は株式を役員などに割り当てます。
割り当てた株式には譲渡制限があります。
④譲渡制限解除
発行会社は期間経過後、譲渡制限を解除します。
譲渡制限が解除されなかった株式に関して
勤務継続条件などで譲渡制限が解除されなかった株式は、発行会社が無償で取得することになっています。
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