今回は、「選好逆転現象」について解説します。
選好逆転現象とは
選好逆転現象とは、期待効用理論に関して発見されている判例の中の1つです。
選好逆転現象は、期待効用理論の関連としてでなく、実験手段として用いられるBDMメカニズムがその本来の性能を発揮しないためではないかという実験に基づいています。
選好逆転現象の実例
選好逆転現象の実例について述べます。
今、2つのくじL1とL2があります。
L1は確率0.8で4000円、確率0.2でー500円の賞金(または罰金)が当たります。
L2は確率0.1で40000円、確率0.9でー10000円賞金(または罰金)が当たります。
L1もL2もその賞金の期待値は3100円のため、危険中立的な主体にとっては無差別です。
しかし、危険中立的でない主体にとってはこの2つのくじに対する期待効用は一般的に異なります。
リヒテンシュタイン氏とスロヴィック氏は、実験において被験者に9時L1とL2を呈示して
「どちらのくじが好ましいか」を尋ねて直接比較させた場合と、
呈示したくじをそれぞれ「いくらなら販売するつもりがあるか」を尋ねて、
間接的に比較させた場合のくじに対する選好を比較しました。
その結果、例えばくじを直接比較した場合にl1をL2より選好する多くの被験者が、それらのくじの販売額についてはL2の方を高くする選好を示したのです。
この実験では、主体にくじの販売額を尋ねる手段としてBDMメカニズムを用いていました。
したがって、L1をL2より選好する主体は、L1の販売額P1をL2の販売額P2より高くするはずです。
なぜなら、L1・L2それぞれの販売額は、BDMメカニズムによれば、L1・L2それぞれと同じ期待効果をもたらすそれぞれの確実性等価に等しいからです。
したがって、L1>L2ならば、P1>P2のはずです。
しかし実験では、多くの場合P1>P2となります。
これが選好逆転現象と呼ばれる理由です。
投資に応用・まとめ
もらえる金額が大きいと、確率が低くてもかけてしまうというのが人間の心理ということです。
つまり一攫千金を夢見てしまいがちということです。
報酬が少額だったとしても確率が高ければ、回数を重ねると報酬が高くなったりします。
そのため、確率に対して報酬がどの程度なのかを見極めてから投資しましょう。
数字や期待値を逆算できる人の方が投資では利益を得ることができるということです。
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