問題解決のアイディアを発想する方法【 発想メカニズムの心理学 】シナリオ別に解説

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今回は、「発想のメカニズムの心理学」について解説します。


その前に、発想について解説します。

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発想とは

発想とは、広い意味では思考や認知のことです。

そのため発想のメカニズムでは、広い意味では思考の枠組みのことです。

これよりやや狭い意味では、言語的または図的な表現を与えられた産物としてのアイデアや構想を意味しています。

思考や認知と同じ意味だったとしても、特に発想という言葉を用いた方が意志を伝達しやすいことがあります。

詳細→【 発想から企画までの創造心理学 】表で解説

発想における心理学3つ

発想は、次の3つの心理学的な関心に照らし合わせることができます。

①個人や集団の考え方の特徴

私たちは自分とは異なる思考のプロセスやその個人差を認識しています。

一方、感じ方・言い方もあり、意思決定における価値観で表される主観的な価値や属性の重要性の差とも考えられます。

これは、他属性効用モデルと言います。

これは、選択肢の望ましさは複数の評価ポイントによって決まるとするモデルです。

②良いアイデア

良いアイディアとしての発想は誰もが望んでいます。

心理学の知見を根拠に、独創的な実践に必要な推理や構想は、前もって経験獲得された概念の連合によって可能になるとされています。

特にアナロジーの役割を重視しています。

③アイディア生成

創造能力の実践過程は、特別な人の特別な能力ではないとされています。

科学的な理解が可能なものであり、教育可能なものだと考えました。

発想法は、教えたりすることができるアイディアの生成の技法のことです。

しかし、ある特定の天才と呼ばれる個人だけが独創的な発見に発達し得るというより厳しい考え方もあります。

技法を用いて生じるアイディアが全て独創的であるということや、他の意味で質の高いものである保証はありません。

様々な発想法の存在は、誰もがアイディアの生成・発想を実践できるという現在広く受け入れられている考え方を反映しています。

詳細→【 発想と脳のメカニズム 】サヴァン症候群・病気・覚醒剤との関連/歴史上の人物を例に説明

発想のシナリオ

創造的な仕事の典型的なプロセスを、シナリオのように記述する試みが行われています。

イギリスの政治学者・社会学者のグレアム・ワラス氏による、4段階説です。

またW型仕事モデルが日本ではよく知られています。

また、ジェネプロアモデル(詳細→【 ジェネプロアモデルとは 】ワードまで一覧で解説)も最近の認知心理学・認知科学的な発想の考え方を示すものとして重要です。

シナリオタイプ

①孵化期のあるシナリオ

ワラス氏の4段階説とは、アイディアが生まれる際には、次の4段階のプロセスがあるとしています。

その4段階は次の通りです。

準備期創造への欲求が生じた後、必要な情報を集めて技術を習得しておく期間
孵化期考えが熟して自然に出てくるのを待つ期間
啓示期何かの拍子にアイディアが生まれる期間
検証期アイディアを評価し、修正する期間

特徴的な部分は、孵化期という段階を含んでいることです。

孵化自体の意味とは、問題が手順通り解決せずに行き詰まり、一時的に棚上げになる状態のことです。

これは、その抱えている問題から離れて別のことに取り組んだり、単にその問題を忘れているうちに、問題が解けるようになっていたり、答が突然意識的に飛び込んできたりするような体験のことです。

実体験が数多く報告されているのです。

②孵化期を含まないシナリオ

孵化期を含まないシナリオも存在します。

認知心理学的な理論や実験的方法と結びつけようとするフィンク氏らの創造的認知アプローチでは次の段階から成り立っているとされています。

生成段階創造的な行為に特徴的な思考を、創造的な作品を生み出すような心の働きは心の中に何かを作り出す段階
探索段階その作り出した何かに働きかけてアイディアや仮説などの作品を掘り出す段階

シナリオの効用

抱えている問題が難しければ、手順通り解決せず行き詰まったり一時的に棚上げになるのは決して珍しいことではないです。

世の中には解決されないで終わる問題もたくさんあります。

したがって孵化は、行き詰まったところで終わりとしない発想のシナリオあるいはメタ認知(自分自身の認知tについて個人が持つ理解)が必然的に作り出した階段だとも考えられます。

しかし、ルーティーン的な仕事やアルゴリズムのような機械的な操作で解決できる問題であれば、孵化期は必要ないし、知覚もされないでしょう。

また、これらのシナリオは主観的経験を導くもののため、厳密な所要時間が決まっていません。

創造的な仕事の中には、1秒で済むものもあれば10年を要するものもあります。


発想が一瞬の思いつきで行われるのではなく、長い時間をかけた熟達や、熟達していく中で見出される創作ビジョン・創作ビジョンに基づいた技法なども存在します。

様々な活動がダイナミックに関わり合いながら発想されるともされています。

まとめ

孵化期のあるシナリオと、孵化期のないシナリオが提唱されています。

孵化期は、全く別のことをしている間にアイディアが降ってくることを指しています。

なぜこの孵化期をおいたかというと、抱えている問題が難しすぎて、「解決しななかった」という結末に陥らせないためにつくられた期間だということです。

別のことをしていても、後々解決する可能性にかけているとも言えます。


脳は、別のことをしちえる間でも(寝ている時など)、その抱えている問題のことを頭の片隅に置いて考えを整理したりすることができます。

そのため、別のことをしている最中に、解決に関するアイディアが降ってくることもあるのでしょうね。


しかし個人的には、抱えている問題について頭をフル回転させて考えないとアイディアが降ってこないタイプなので、私は孵化期として考えない時間を置いたとしても、問題解決の際は全集中でアイディアを絞り出すタイプです。

他の経営者さんでは、環境を変えて考えてみたりと工夫されている方もいるので、アイディアの発想に関してはそれぞれの個性や思考回路にもよるのでしょうね。

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