今回は、「決算書の基礎」について解説します。
決算とは
決算とは、会計期間における経営成績・財政状態を明らかにするための手続きのことです。
決算日とは
決算日とは、会計期間の最後の日で、帳簿の締め日のことです。
株式会社の場合は、会計期間に決まりはありませんが、4月1日から3月31日までの1年(決算日=3月31日)とすることが多いです。
決算手続きの一連の流れ
決算手続きの一連の流れは次の通りです。
取引
↓仕訳
仕訳帳
↓転記
総勘定元帳
↓集計
試算表
↓決算整理
精算表
↓
損益計算書・貸借対照表
↓
総勘定元帳
(帳簿の締め切り)
決算整理
決算整理とは、経営成績・財政状態を正しく表すために、決算で行う修正手続きのことです。
具体例は下記です。
・現金過不足の処理
・当座借越勘定への振り替え
・貯蔵品勘定への振り替え
・貸倒引当金の設定
・有形固定資産の減価償却
・売上原価の算定
・消費税の納付額の計算
・費用・収益の前払い・前受け・未払い・未収
・法人税などの計上
精算表
精算表とは、決算整理前の試算表から決算整理を行い、損益計算書・貸借対照表を作成するまでの過程を1つにまとめた表のことです。
・勘定科目欄・・・貸借対照表の勘定科目(資産・負債・資本の勘定科目)・損益計算書の勘定科目(収益・費用の勘定科目)・決算整理で新たに出てきた勘定科目
・試算表欄・・・決算生理前の試算表の金額を記入
・修正記入欄・・・決算整理仕訳の金額を記入
・損益計算書欄・・・費用は借方に、収益は貸方に金額を記入
・当期純利益・・・最後に差額で当期純利益(または当期純損失)を計算
精算表の記入ルール
精算表の記入は、下の流れで行います。
①試算表欄の記入
残高試算表の勘定科目と金額を勘定科目欄・試算表欄に記入
②修正記入欄の記入
決算整理に基づいて、決算整理仕訳を行い、決算整理仕訳の金額を修正記入欄に記入
③損益計算書欄・貸借対照表欄の記入
試算表欄の金額・修正記入欄の金額を加減算して、損益計算書欄・貸借対照欄に記入
資産・負債・資本の金額は、貸借対照表欄に、収益・費用の金額は損益計算書欄に記入
※金額を加減算する時は、次のルールに基づいて行う
・修正記入欄の金額が試算表欄と同じ側に記入された時は加算
・修正記入欄の金額が試算表欄の逆側に記入された時は減産し、残高がある側に記入
当期純利益(または当期純損失)の計算
損益計算書欄・貸借対照表欄の借方合計と貸方合計の差額によって当期純利益(または当期損失)を計算します。
損益計算書類の収益合計(貸方合計)が費用合計(借方合計)よりも大きい場合には当期純利益・収益合計(貸方合計)が費用合計(借方合計)よりも小さい場合には、当期純損失となります。
詳細→決算書における【 損益勘定による当期純利益の振り替え 】分かりやすく解説
当期純利益の場合、損益計算書欄の借方・貸借対照表欄の貸方に金額が記入されます。
当期純損失の場合、損益計算書欄の貸方・貸借対照表欄の借方に金額が記入されます。
まとめ
株式投資では、決算を読み込むために簿記の知識もあると優位になります。
今後も決算を読み解いていきましょう。
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