1.ヨーロッパの景気先行指数
2.ドイツの景気先行指数
∟IFO景況指数
∟ZEW景況感調査
∟製造業PMI
3.イギリス
∟製造業購買部担当者景況指数(製造PMI)
4.スイス
∟SVME購買部協会景気指数
5.南アフリカへの投資拡大
6.南アフリカ
∟SACOB景況感指数
7.情報量の少ない国におけるトレード方法
8.FXでのポイント
ヨーロッパの景気先行指数
~ヨーロッパでは断然ドイツを注目~
前記事で説明したアメリカに次いで景気先行指数が注目される地域はユーロを抱えるヨーロッパです。
そして、ヨーロッパの経済指標の大半がそうであるように、景気先行指数もドイツの指標がより注目されます。
ドイツの景気先行指数としては、次の3つが注目されます。
ドイツの景気先行指数
IFO景況指数
発表機関:IFO経済研究所
発表日程:月次、翌月中旬
注目度 ★★★☆☆
・ドイツ、ミュンヘンにある有名なシンクタンクが発表する企業景況感指数
・欧州圏についても発表するが、注目度が集まるのはドイツの指数で、ユーロ相場への影響も非常に大きくなる
・ドイツ全土の製造業、建設業、卸売業、小売業の約7000社の役員を対象にアンケートを実施し、その結果を指数化したもの
・現況と6カ月先についての調査を行っている
・好悪分岐点は2000年時点の指数である「100」
・発表前に思惑で動くこともかなり多く、ユーロ投資をする際には必須の指標
・下降トレンドが長引いている中、ポジティブな情報が出るようなら「買い」チャンスに転じる可能性も高い
ZEW景況感調査
注目度 ★★★☆☆
発表機関:欧州経済センター
発表日程:月次、毎月第2火曜日
・発表時期が早いこともあって、IFO景況指数の先行指標として注目される
・IFOの発表を見据えてユーロのポジションも取りやすいため、発表後に市場が動きやすい
・結果はDI方式、金融機関の市場関係者を対象に約3500名に調査
・今後6カ月間の景気見通しを示した指数で、好悪分岐点は「50」
・ユーロ圏とドイツと両方の発表があるが、市場注目度が高いのはドイツの結果(ユーロ圏の結果も併せて参考に見ておく)
製造業PMI
注目度 ★★☆☆☆
発表機関:マークイット
発表日程:月次、当月下旬
・製造業の購買担当者を対象にする指標
・先行サイクルが1カ月で、先行指標としての信頼性が高いと注目されている
イギリス
製造業購買部担当者景況指数(製造PMI)
注目度 ★★☆☆☆
発表機関:マークイット
発表日程:月次、当月下旬
・好悪分岐点は「50」
・イギリスの経済指標では他の類似のものがないため、注目度が高まりやすい
スイス
SVME購買部協会景気指数
注目度 ★★☆☆☆
・アメリカのモデルを参考にスイス用にアレンジして作られた統計で、1995年統計が開始されている
・好悪分岐点は「50」
・スイスSVME購買部協会のメンバーに対するアンケート調査(新規受注、生産高、雇用など)によるもので、民間指標だがスイス全土の景況感を知ることのできる先行指標として注目度が高い
南アフリカへの投資拡大
南アフリカは市場規模が小さいために注目度はそれほどではありません。
しかし、貴金属資源への注目の高まりもあり、近年は南アフリカへの投資が年々拡大しています。
結果、景況感指数の注目度も高まってきています。
南アフリカ
SACOB景況感指数
注目度 ★☆☆☆☆
・SACOB景況感指数は南アフリカランドと米ドル、ユーロ、英ポンドなどの通貨加重平均、都市と周辺部のコアインフレ指数、小売売上高、米ドル建て金・白金価格の加重平均、商品の輸出入、ヨハネスブルク証券取引所の株価指数などから算出される
情報量の少ない国におけるトレード方法
情報量、伝わるスピードは、どの投資家も条件が同じです。
情報量が少なく、伝わるスピードが遅い国ではどんな投資家も「少なく」「遅く」しか伝わりません。
そのため、情報に対する反応もリアルタイムでなく、後追いが主流となります。
こうした特徴のマイナー通貨に関しては、スキャルピングなどの短期トレードは難しくなります。
中長期のスタンスで伝わってきた材料に反応する、というトレードを取り入れましょう。
FXでのポイント
・下降トレードにあるユーロの場合、景気先行指数の良化情報は、何よりの朗報
・マーケットが「売り」に飽きてきているようなら、このような情報が大きな「買い」要因になることもあり
関連記事→景気先行指数【 カナダ・オーストラリア・ニュージーランド 】表で解説
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