FXにおける「合同利下げ」について説明します。
合同利下げとは
各国の中央銀行は、自国の経済のために金利の決定などを含む金融政策の策定を行います。
しかし、時には各国の中央銀行が協調して金利の上げ下げを行うこともあります。
これはマーケットにも相当大きなインパクトを与えるため、そのような動きが予想されるときは、ポジションの手仕舞いを含めて慎重なトレードが必要です。
過去の実例
こうした動きは危機的状況にでもならない限り起こりにくいものですが、過去には実際にありました。
それがリーマンショック時の各国中銀による合同利下げです。
2008年10月8日、前月のリーマンショックにより、金融市場が世界同時株安になりました。
サブプライムローン問題によって世界の禁輸期間が被る損失の推計がIMFによって発表されたためです。
アジア市場から始まり、各国の株式市場が軒並みに急落を続ける最中、欧州時間に入って日本時間の午後に、突如チャートに動きが出て、ニュースで「欧米中銀が協調利下げ」が流れました。
世界的な株価の下落、経済の急速な後退への機器を、合同利下げという形で示しました。
加えて、中国人民銀行も金利引き下げを実施、同時株安杭止めに同調しました。
そしてそこで転換となりました。
一般的な合同利下げとは
一般的には自国経済のために、個別の動きをしている中銀も、危機的状況においては協調して連携した金融政策を緊急で実施する用意があるということです。
そして、それだけ強い姿勢で臨んでも下げを押さえられない時もあるほど、マーケットのパワーは凄まじいです。
経済は循環しているため、またこういった各国中銀が束になってもかなわない出来事が起こるかもしれません。
相場を大きく動かす数十年に一度の要因として覚えておきましょう。
各国中銀の実際の合同利下げ
2008年10月8日に、実際に合同利下げが行われました。
IMFの発表・・・世界の金融機関のサブプライムによる損失が1兆4050おくどるにのぼる可能性があると四半期毎に発表するレポートで表明
日本・・・日経平均株価が903円安で8.8%の下落(当時過去3番目の暴落)
韓国・・・韓国総合指数が4.8%下落
インド・・・SENSEX指数が1万1000ポイントを割り込む(2006年依頼の下落幅
台湾・・・加権指数が5.78%安(過去5年間で一番の安値)
オーストラリア・・・ASX20の指数が5%下落
インドネシア・・・インドネシア総合指数が10%以上の急落で取引停止
利下げから政策金利
利下げから政策金利の変更までの流れは下記です。
FRB 0.5%利下げ 政策金利を1.5%へ
ECB 0.5%利下げ 政策金利を3.75%へ
BOE 0.5%利下げ 政策金利を4.5%へ
BOC 0.5%利下げ 政策金利を2.5%へ
SNB 0.25%利下げ 政策金利を2.5%へ
リスクバンク 0.6%利下げ 政策金利を4.25%へ
通貨暴落幅
リーマンショック時の通貨暴落幅は下記の通りです。
通貨 大暴落幅 (高値 安値)
GBP/JPY 21.14 (160.093 138.95)
EUR/JPY 13.74 (127.381 113.64)
AUD/JPY 11.29 (66.251 54.96)
NZD/JPY 8.88 (58.797 49.91)
CAD/JPY 8.01 (78.922 49.91)
USD/JPY 7.28 (98.101 98.82)
CHF/JPY 5.99 (84.795 78.80)
GBP/USD 0.1077 (1.63365 1.5259)
USD/CHF 0.3572 (1.50529 1.1480)
EUR/USD 0.0519 (1.30110 1.22494)
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