仮想通貨【 Zcash（ZEC）とは 】創設者・特徴・供給量・上場している仮想通貨取引所・投資における将来性まで解説

今回は、仮想通貨Zcash（ZEC）について解説します。

Zcashとは・創設者・特徴・供給量・上場している仮想通貨取引所・投資における将来性の順で説明します。

Zcash（ZEC）とは

Zcash（ZEC）とは

Zcash（ZEC）とは、プライバシーと匿名性に焦点を当てた分散型の仮想通貨です。

zk-SNARK ゼロ知識証明技術を使用しています。

ネットワーク上のノードが、取引に関する機密情報を一切開示することなく取引を検証することができます。

Zcashは2016年にリリースされました。

元々はビットコインのコードベースを基盤にしたものでした。

ビットコインをはじめとする市場の大半の仮想通貨は匿名ではなく仮名を使用しています。

ユーザーの身元は明示していませんが、各ユーザーは自分の公開アドレスを1つもしくは複数保有しており、データ科学やブロックチェーンフォレンジックの手法を用いてそのユーザーを追跡することができます。

それに対しAcashの取引は、パブリックブロックチェーンを介して中継する必要があります。

仮名の仮想通貨とは異なり、ZECの取引はデフォルトでは送受信のアドレスや送金額が明らかになりません。

ただし、監査や規制遵守の目的でこのデータを公開するということもできます。

Zcashの創設者

Zcashは、コンピュータセキュリティの専門家であり、起業家であるサイファーパンクのZooko Wilicox ~O `Hearn氏によって2016年に設立されました。

更にZcashの開発を管理する営利目的のElectronic Coin Companiy（ECC）者の創設者でもあります。

Wilcol-O`Hearn氏は、仮想通貨や情報セキュリティの業界で25年以上の経験を持ち、今は亡き電子マネー「DigiCash」、ピアツーピア（詳細→【 ピアツーピア（P2P）とは 】分かりやすく解説）のデータ保存ソフト「Mojo Nation」、ファイルシステム「Tahoe Least-Authority File Store」など、数々のプロジェクトに貢献してきました。

また、デジタルセキュリティの向上と基本的なプライバシー権の保護を目的としたテクノロジー企業であるLeast Authority Enterprisesを設立し、暗号ハッシュ関数BLAKE3を共同開発しました。

Zcashの特徴

匿名性

Zcashの主な利点は、オプションの匿名性にあり、ビットコインやイーサリアムのような通常の偽名の仮想通貨では達成できないレベルのプライバシーを確保することができます。

ZECの取引は、透過型と遮蔽型の2種類の方法で送信することができます。

透明な取引は、Zcashのコードベースとなったビットコインと同じ仕組みで、パブリックアドレス間で送信され、不変のパブリック台帳（ブロックチェーン）に記録されます。

これらの取引については、送信先と受信先の住所・送金金額など、全ての重要な情報がオンラインで誰でも見ることができます。

このようなパブリック取引では、ユーザーの身元があからさまになることはありません。

外部の人がブロックチェーンからアクセスできる身元情報は、パブリックアドレスのみです。

zk-SNRKs

匿名性が特徴のZcashですが、近年のデータサイエンティストや法執行機関の努力により、ブロックチェーンの解析手法が発達し、利害関係者がブロックチェーン上のパブリックアドレスとその所有者の現実世界の身元の確実に結びつけることができるようになり、私的な取引は基本的に不可能になりました。

そのためZEC取引は、完全に匿名の取引をパブリック・イミューダブル・ブロックチェーン上で送信することを可能にするために、zero-knowledge succinct non-interactive arguments of knowledge（ゼロ知識の簡潔な非対話的知識の論証）、つまりzk-SNRKsの技術を活用しています。

取引が行われたという事実は台帳に記録されますが、送信先と受信先のアドレス、送信金額は公開されません。

これにより、Zcashはユーザーにプライバシーの権利を提供しつつ、ユーザーは分散化されたパーミッションレスなデジタル通貨の利点を提供することができます。

PoW

ZcashのネットワークはProof of Work（PoW）SHA-356ハッシュ関数によって保護されています。

PoWとは→仮想通貨における【 PoW・PoSの違い 】どちらが良い？

このハッシュ関数は、ビットコインと同じSHA-2アルゴリズムセットに属しています。

Zcash（ZEC）の供給量

全体的に、Zcashのトークノミクスはビットコインと似ています。

※トークノミクスとは→仮想通貨【 トークノミクス（＝トークンエコノミー＝トケノミクス）とは 】分かりやすく解説

希少性の高いマイニング可能なトークンです。

総供給量の上限は2100万トークンです。

新しいZECは、ブロック補助金の形式で生成されます。

つまり新しいブロックがマイニングされ、ブロックチェーンの末端に追加されるたびに、一定のコインがミントされます。

そしてマイナー補助金とファウンダーズリワードにそれぞれ80対20の割合で分割されます。

ZECの総供給量が2100万に近づくと、ブロック補助金は一定期間ごとに半数となり、発行速度が遅くなります。

マイナー補助金は最新のブロックをマイニングしたマイナーに、ファウンダーズリワードはElectronic Coin Company（EC）の創設者・Zcash財団・ECC組織・その従業員に分配されます。

2020年後半では、ブロック補助金は6.25ZECでした。

Zcashの上場している仮想通貨取引所

Zcashは下記の取引所で購入することができます。

・Binance

・Hit BTC

・Houbi Global

・BKEX

・OKEx

投資における将来性・まとめ

ブロックチェーンは基本的には透明性を重視していますが、Zcashでは匿名性にしてプライバシーの保護をしているという非常に珍しい仮想通貨になります。

また、ブロックチェーン上アドレスのとその所有者を現実世界と結びつけることができる時代になりましたが、zk-SNARKsの技術を用いることにより適合できています。

Appleなどでもプライバシーの保護が優先される時代になっており、これは時代に沿って需要が増すことでしょう。

しかしネックなのは、PoWという点です。

環境に良いPoSであれば長期的に見て期待できますが、PoWではどこかのタイミングで問題視されてしまうリスクもあります。

同じプライバシー保護の仮想通貨では、Monero（詳細→仮想通貨【 Monero（XMR）とは 】創設者・特徴・投資における将来性についても解説）があります。

MoneroはPoWからランダムXに変更すると発表されているため、長期的に見るとMoneroの方が使用されるかもしれません。（Moneroは発行上限がないためその点では価格は上がりにくいですが）

そのため競合の情報も追っていきましょう。