竜とそばかすの姫【 作者の伝えたいこと 】ストーリーと描写から考察/ネタバレあり

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今回は、「竜とそばかすの姫」という映画の、作者の伝えたいことについての考察をまとめました。

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竜とそばかすの姫とは

竜とそばかすの姫の公式ホームページはこちらです。

「竜とそばかすの姫」公式サイト
細田守監督渾身の最新作。「竜とそばかすの姫」大ヒット上映中!

あらすじ

母を亡くしてしまってから、父との関わりも少なくなり、心が病んでいた少女の「すず」が主人公です。

辛い時に、メタバースを始めました。

そのアバターが「ベル」です。(つまりオンライン上のすずです。)


そこで、ずっと好きだった歌を歌っていたら、バズって人気になりました。

現実世界だと内気なすずですが、メタバースにより自己表現することで、徐々に楽しみを見つけることができていったのです。


そんな中、トラブルが発生し、その解決をするために主人公が強くなり、優しさを発揮していくストーリーです。

細田守さん

細田守さんは、筆者でもあり監督でもあります。

この他にも、「おおかみこどもの雨と雪」「バケモノの子」「未来のミライ」「時をかける少女」「サマーウォーズ」などの

数々の有名な作品をつくられたかたです。


特に、時をかける少女・サマーウォーズに関しては、作品ができた年代にしては非常に進んだハイテクな世界を描いています。

そのため、未来を推測しているという特徴があるのです。

(バケモノの子やおおかみこどもに関してはテーマが家族系のお話ですが)

作者の伝えたいこと:考察・推測

ストーリーから考察:メタバースの素晴らしさを伝えたい

主人公のすずから考察していきます。

すずは、母を亡くしてから、父とも関係が薄くなっていき、病んでいました。

具体的には、帰り道に嘔吐してしまうほどストレスが溜まっている(病んでしまっている)状況でした。


そんな中、すずはメタバースに出会い、「ベル」としての生き方を見つけます。

現実世界では内気で、人前では歌えない鈴ですが、インターネット上のメタバース仮想空間では歌うことができたのです。

そしてその歌声がバズり、ベルは人気になっていきました。


このように、2022年ではまだメタバースは人々に普及していませんが、

今後はメタバースが人々の日常生活に浸透していくでしょう。

その時のことを描いてくれているのです。

※メタバースとは→本の学びを共有【 メタバースとWeb3/国光宏尚 著 】業界の最先端の情報・知識をプロから学ぶ


そして、メタバースでは第二の人生を生きることでき、自由に自己表現できる世界だよということを教えてくれています。

これは、メタバースのオンライン時にも「あなたの第二の人生」とアナウンスが流れていることからも、強調されています。

メタバースの現実(悪い部分も)伝えたい

ただし、メタバースの現実も伝わってきます。

それは具体的に下記です。

・アンチが多発している部分の描写

・人々の否定的な意見が定期的にピックアップされている

・正義と称するレンジャーが過剰に秩序を守ろうとするゆえに、アバターを排除しようとする


このように、メタバースの良い部分だけでなく、悪い部分もかなり多く(むしろ良い部分より多く)描かれています。

アンチコメントの表示回数が非常に多いからです。


この描写から、作者は、メタバースでのアンチやこれによる人々の傷を懸念しているということが伺えます。

また、悪いユーザーを過度に攻撃する自称正義のユーザーも出てくるのだろうという懸念も伝わってきますね。

メタバースの可能性

また、ストーリー的に、すずは児童虐待を突き詰めて、現実世界で新幹線で移動して守りに行くのです。

このことから、インターネット上の特定により、救われないこどもたちを助けることができるという、メタバースの新たな可能性を示唆しています。


そのため、このようにメタバースの可能性を良い方に欲しいという願いが込められていると考えられます。

母の背中をみて学び、生かす

すずの母は、すずが幼い頃に、知らない子どもを助けるために川に飛び込んだことで亡くなってしまいました。

映画の中で、「どうして知らない子のために、私を置いて死んでしまったの。」というすずの台詞があります。

本心ではすずはこう思っているわけですね。

自分を置いて、知らない子どもを助けるために亡くなってしまう理由がこの時はまだ分からず、むしろ恨んでいるかのような口調でした。


ただ、ベルとして生きていくうちにすずは、変わっていくのです。

知らない子の、児童虐待の現場をみて、迷いもなく新幹線で即助けに行くのです。


つまり、知らない子のために自分を置いて亡くなっていった母を恨んでいたのですが、自分も知らない子を助けに行くのです。(すずには子どもはいませんが)

このように、すずは自ら助けに行くことができるように成長していたのです。

実は、お母さんと同じように育っていたのですね。


このことから、作者は、その時は分からないことだったとしても、成長すると解ることがある・母の背中を見て子どもが育つと伝えたいのかなと考えられます。

児童虐待の父親と対照的に描かれている、すずの父親

この一部始終を見て、父親は「すずは、お母さんに似て優しい子だから。助けに行ってあげなさい。」と言います。

父親は、すずに無理に関与しませんが、

お母さんが知らない子どもを助けることを見守っていた(その時お父さんが一緒にいたかどうかは描写されていませんが)し、

すずも知らない子どもを助けることを見守っていました。


そしてこれは、児童虐待の父親とは対照的に描かれています。

児童虐待の父親は、「この家では父さんがルールだ」と述べて、子どもに暴力を振ったりしています。


そのため、作者は、一見何もしないでいるように見えても、見守るという愛の形があるのだよということを伝えたいのかなと考えられます。

対照的に描かれている友人

すずのお友達の「ルカちゃん」「ヒロちゃん」2人が、対照的に描かれています。

ルカちゃん:美人で人気者・明るい気さくな性格

ヒロちゃん:メガネをかけていてパソコンが得意・毒舌で否定的な性格


そして、実際にヒロちゃんがベルをプロデュースしてくれて、ベルがここまで人気となったのです。

そのため、ベルが人気になったのはヒロちゃんのおかげです。


しかし、ヒロちゃんは、すずが子どもを助けるためにベルの正体を明かそうとすると、ヒロちゃんは唯一大反対していました。

昔のダメな自分に戻っていいの?元の泣いてばかりいる自分に戻っていいの?素顔でなんて歌えるわけない」と猛反対し続けます。

このことから、すずの子どもを助けたいという気持ちを無視して、ベルとして人気を築き上げたことを壊したくないという本心が垣間見えます。


しかし、忍くんがすずのしたいことを応援してくれたから、実際に子どもに信頼してもらえて助けることができたのです。


ヒロちゃんは、人気なルカちゃんの悪口を複数回言うシーンがあります。

このことからも、ヒロちゃんは、日陰にいるダメなすずと一緒にいるのが居心地が良くて好きだったと伺えます。


作者は、友人の在り方本当の友達とは何かについて視聴者に考えさせたかったのではないでしょうか。

まとめ

細田守さんの作品は全て、描写からもストーリーからも、家族という形を大切にしていることが伝わってきます。

素敵な作品をありがとうございます。


そして私はメタバースの普及を楽しみにしています。

映画・アニメの考察
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