今回は、「あなたの人生の意味/デイヴィッド・ブルックス」という本の学びを共有します。
あなたの人生の意味
題名:あなたの人生の意味
作者:デイヴィッド・ブルックス
訳:夏目大
本を読もうと思ったきっかけ
私がこの本を読もうと思ったきっかけは、ビルゲイツさんがオススメしていた本だからです。
ビルゲイツさんは、マイクロソフトの創業者で、世界ビリオネラ(世界大富豪)ランキングでトップにいる人です。
ビルゲイツ財団を作り、発展途上国にトイレを作ったり、何兆円単位で寄付をしたり、世界で活躍しているかたです。
経営的な実績もそうですが、している活動も素晴らしいなあと尊敬しているため、そのビルゲイツさんのオススメしている本を読んでみることにしました。
その中でも、「この本は人生観を変えたためもう一度必ず読みたい本だ」と述べてい他こともあり、タイトルからも気になった本だから読むことにしたのです。
本の目次
はじめに アダムⅡ
狡猾な動物
本書の構成
第一章 大きな時代の変化
小さい私
大きい私
謙虚な態度
谷底からの帰還
第二章 天職
フランシス・パーキンズ
恥
天命
天職
しつけ
優しく強い
控えめさ
義務
第三章 克己
ドワイト・アイゼンハワー
罪
人格
自らを抑える
組織人
人生の師
中庸
第四章 闘いの人生
ドロシー・デイ
若き日の信仰
ボヘミアンとの交流
出産
転向
カトリックの労働者
苦しみ
奉仕
ドロシー・デイの実像
ナネット
人生の頂点
第五章 自制心
ジョージ・マーシャル
軍での仕事
組織
愛と死
プライバシー
改革者
参謀総長に
最後の仕事
死
第六章 人間の品位
ランドルフとラスティン
公共心
上品で過激
非暴力の抵抗
ラスティン
奔放な性生活
裏方に回る
達成
第七章 愛
ジョージ・エリオット
欠乏
転換の時
真実の愛
知的な愛
決断
共同生活
小説家
困難な幸福
内なる冒険
第八章 神の愛
アウグスティヌス
世俗的な野心
内なる混沌
自己の内面を見つめる
小さな悪行
神の存在
自己改革
自信過剰
上昇
身代わり
神の愛
謙虚な野心
古い愛
静寂
第九章 自己省察
サミュエル・ジョンソンンとモンテーニュ
創造力
人文主義
徹底した誠実さ
傷を持つ人間の慈悲心
揺るぎない真実
モンテーニュ
違う道筋
偉業
第十章 大きい私
文化の変化
自尊心の時代
真正しさの文化
テクノロジーの影響
能力主義が心に及ぼす影響
条件つきの愛
自己愛の時代
誤った人生
アダムⅡの道徳体系
それぞれの人生
失敗する人
本の学びピックアップ
私的に特に学びになった文章をピックアップさせていただきました。
学びになった文章その1
人間の美徳には大きく分けて二つの種類があるのではないかということだ。
創世記の天地創造の物語には2つの側絵mんがあり、それ故に、私たち人間の本性にも2つの対立する側面があるという。
それを彼は、「アダムⅠ」「アダムⅡ」と名付けた。
アダムⅠは私たちのキャア志向で、野心的な面ということになる。
アダムⅡは外向きの、履歴書向きのアダムだ。
アダムⅠは何かを創り、傷キアガエルこと、生み出すこと、新たな何かを発見することを望む。そして高い地位と勝利を求める。
アダムⅡは内向きのアダムだ。心のうちに何らかの道徳的資質を保とうとする。内なる自分を晴れやかで曇りのないものにしたい、穏やかだが強固な善悪の概念を持ちたいと望む。善き存在であることも求める。そして他人に深い愛を注ぐこと、他人への奉仕のために自己を犠牲にすることを欲する・普遍的な心理に忠実に従って生きたいと望み、創造と自分自身の可能性を尊重する揺るぎない塊を内に持ちたいと望む。
アダムⅠは世界を征服したがるが、アダムⅡは世界に奉仕する使命を果たそうとする。アダム1は創造力に身、目に見える成果を上げる。そして、その成果を享受する。
アダムⅡは時に、何らかの崇光な目的のために世俗的な成功や社会的な地位を放棄する。
私の短くない人生を振り返ると、履歴書向けの美徳について考えていた時間の方が長かったと思う。
現在の教育制度も、間違いなくそちらを重要視したのもになっている。
自分の根本的な人格を磨くことよりも、職業的な成功を目指す生き方を選んでいる。
また、たとえ表面的に成功しているように見えても、内面の道徳的な向上がなければ、その成功が長続きしないことも知っている。
内面が道徳的に充実していないと、いずれ不祥事や、誰かの裏切りによって転落してしまう。
「アダムⅠ」は、結局は「アダムⅡ」に依存している。
裕福で人気者で、有力な人脈を持つ人、また仕事で大きな成功を収めそうな人だからといって、心惹かれるとは限らないのだ。
誰かと恋に落ちるのはアダムⅡである。
アダムⅡは、もっと内面的な理由で人を選ぶ。
この本は、まず最初にアダム1とアダムⅡの解説をしてくれます。
私からすると、この本はこのアダム1とⅡの世界に気づかせてくれるだけでもう十分な価値があると思いました。
私は特にアダム1とⅡの世界に分けて人生を考える発想がなかったため、これは目から鱗でした。
この本の筆者も述べているように、私自身もどちらかというとアダム1の方に目をとらわれ、ずっと履歴書や仕事における経験値を上げようと20代は努めてきました。
30代になる前に目標があり、それを成し遂げるために一直線に私なりに頑張ってきました。
しかし、アダム1に関しては何か努力できたのだろうか?と聞かれると、
私はアダム1の道徳的な方をフル無視してきた気がしました。
近年は、保護猫の治療を趣味で開始(詳細→【 保護猫さんの現状 】実際に関わってみて分かったこと・感じたこと)しましたが、それ以外はアダム1に関して努力してきたことがあまりなかったです。
つまり私自身も、職務履歴などのアダムⅡの世界に囚われのみになっていたということです。
そして、私から仕事を奪われたら、残る道徳が保護猫のみになることに気づきました。(まだ保護猫さんがあったからよかったけども。)
保護猫さんがなかったら私のアダム1は皆無だったでしょうね。
という、私を取り巻く当たり前の世界を打破してくれた本になりました。
そうか、その世界線もあったのか、という感じで。
そのため私は、アダムⅡの職歴のない世界でも自分が生きる意味を探すことにしました。
肩書きをとったら何も無くなる人間にはなりたくないてのもある
— Miori (@mioriescom) August 15, 2022
だからあえて肩書きを書かない
自分のことを好きでいたいし
自分自身を魅力的だなって思っていたいから#人間性を成長させるよ#自分が自分のことを好きでなくなったらおしまいだよね
何が言いたいかというと、この本はこの序盤だけでものすごく価値があります。
また、この世界線を教えてくれた本は初めてだったため(普段ビジネスや投資の本しか読まないというのもあるかもしれないが)、本当にありがというと感謝でいっぱいです。
また、これが親子の愛情にも時代的に影響しているとのことでした。
親が子供に対して成功することを願っていたりし、見返りのない愛ではない時代になってしまっているとのことでした。
そのため、アダム1にとらわれて育った子供は、成功しなければ自分に価値がないと思ってしまい、心に大きな穴があいていると感じて育っている子供がたくさんいる時代になっています。
そのため、仕事や成功にとらわれた人生で良いのか、見つめ直してみましょう。
死に際に後悔しても遅いからです。
時は戻りません。
学びになった文章その2
苦しみを体験すると人はまず、自分の内側深くへと入って行くことになる。
神学者のパウル・ティリッヒは「大きな苦しみに見舞われた人は、それまでの日常生活ではほとんど顧みなかった自分の内面に目を向ける。
そして、自分という人間が、今まで信じていた自分とは大きく異なった人間だと気づくのである」と書いている。
苦しみにも色々ある。
大作の音楽を作曲する際の産みの苦しみもあれば、愛する人を失った時の喪失の苦しみもある。
いずれにしても、苦しみがあまりに大きいと、魂の「底が割れる」ようなことが起きる。
今まで底だと思っていたものは粉々に破壊され、その下に広い空洞があるのが発見される。
さらに下に降りて行くと底が見えるが、間もなくそれも破壊され、その下にまた空洞が見つかる。
何度か同じことが繰り返される。つまり、苦しんでいる人は、自分の心の下の未知の空間を旅するわけだ。
苦しみは、愛と同様、自分のことは自分で制御できるという幻想を壊す。
本当の苦しみに襲われれば、誰もが辛いと感じてしまう。
そう感じることは自分で止められない。
愛する人が亡くなれば、あるいは自分のもとから去れば、不在を寂しく思う気持ちは自然に湧いてきて、自分で押し止めることができなくなる。
心の落ち着きを取り戻せたとしても、悲しみが和らいだとしても、なぜそうできたのかは本人にもよくわからない。
自分の苦しみ、悲しみであっても、自分の意志で癒やすことはできない。
個人を超えた自然、あるいは神の力としか思えない。
現代の社会はアダムⅠの社会であり、努力が重要視される。
どんなことでも努力次第で成し遂げられると人は考えがちである。
努力すれば、すべては自分の意志のとおりになると考えるのだ。
だが、大きな苦しみを経験すると、自分を超えた力の存在を知ることになる。
人生とは予測のつかないもので、実力と努力がすべてを支配するという考えが誤りだと学ぶのだ。
この文章では何を伝えたいかというと
①苦しみにより自身の内部に目を向けることができ、自分の心の下の道の空間の旅ができる
②実力と努力ではどうにもできないことがある
①に関しては、説明部分が長くて省いた箇所があるため、詳細は本を読んでください。
簡単にまとめると、悲しみからの苦しみにより、人は普段自分の中で見ることのできない、心の下の方の未知の空間を発見し、その空間を旅することができるということです。
私は最近、絶望したことがあったのですが、普段考えたことのないような領域の「人生について」「人生の内面的な成長について」に考えるようになりました。
悲しみによる苦しみにより、自分自身の心の中を探索し、新しい発見ができるということです。
つまり、悲しみからの苦しみで底を見た先にしか発見できないことがあるということです。
私自身が最近絶望を感じていたからこそこの文章が理解できた気がします。
もし絶望を感じていなかったら、この内容は意味不明だったことでしょう。(既に絶望を感じたことがないかたは、この文章に共感を得られない可能性もあります。)
結局、人生を見つめ直すきっかけは、深い悲しみの後にしか分からないものなのでしょうね。
深く見つめ直し、探索しなければならない状況になってから初めて分かることってありますよね。
学びになった文章その3
悲しみに暮れる人間は、その悲しみを消すべく行動しない。
悲しみはさらに悲しみを生み、悲しみが積もっていく。
なぜそうなのか。
「それは、悲しみという感情に駆られている時、その人の欲望は過去に固定されているからである。未来に喜びがあると思うことができない。実際に起きたことを嘆き、もし過去が違っていたらと思い続ける。もう失われてしまった、決して取り戻せない喜びや所有物をいつまでも求め続けるのだから、当然いつまでも辛く苦しい」悲しみを避けようとして、臆病な人生を歩む人も少なくない。
また、悲しみから救われようとして、人づき合いに逃げようとする人も多い。
だが、ジョンソンはそういう方法が良いとは言わない。
彼はこう言っている。
「悲しみを癒やすには、おそらく何か前向きな活動をすることが最も有効である……悲しみは魂の錆のようなものだ。動いてこれまでとは違う新たな考えを自分の中に取り入れることが、その錆を落とすことにつながる。悲しみで淀んだ人生を変えるには、自ら動く以外に方法はない」
これは先ほどの、悲しみからの苦しみの文章に似ていますが、その続きです。
今回の文章は、悲しみは過去に固定されていることが原因で、未来に喜びがあると思うことができないということが悲しみから抜け出せなくしていると述べています。
しかし、改善方法として悲しみを癒すには、前向きな活動をすることが最も有効であり、自ら動く以外に方法はないとしています。
私も、悲しみって、考えても仕方がないのに引きずる傾向があるなあと思っていました。
しかし悲しみは過去に縛られていることが原因であり、それを自覚して自ら前向きに活動しなければ解決できないことを知ることができたため、今後の人生に活かそうと思いました。
悲しみについて言語解説してくれる本に出会ったことがなかったため(ビジネス本や投資本ばかり読んでいたため)、私的にはすごくありがたかったです。
人生は短いので、悲しんでる暇なんてないんですよね。
学びになった文章その4
自分が何かをしたからといって、それで必ず人生が良くなるわけではない。
まず、そのことを認識する必要がある。
人間には、そんなことをできるだけの能力がないのだ。
心はあまりに広大な、謎の宇宙である。
自分自身ですら、その宇宙がどうなっているのかよくわからない。
感情はとても変わりやすく非常に複雑であり、自分の感情を思いどおりに動かすこともできない。
人間の欲望には限りがなく、自分で何かをしても決して満足させることは不可能だ。
そして、人間には高い自己欺瞞の能力があるので、自分に対して本当に正直になることはめったにない。
世界はあまりに複雑で、運命はあまりに不明瞭である。
自分の運命を思いどおりにしようと思えば、自分以外のすべての他人と環境のすべてを思いどおりに操作しなくてはいけない。
人間の理性、知性には、世界の成り立ちを完全に正確に理解するだけの力はないし、世界でこれから何が起こるかを完全に正確に予測する力もない。
しかも、欲望を常にうまく抑えつけられるだけの自制心も持ち合わせてはいない。
もし、人間にそんな力があれば、「新年の誓いが今年も守れなかった」などということは起きないはずだ。
問題は、自らの力で自分を罪から救えると思うと、罪を余計に大きくしてしまうということだ。
この文章では、人生は自分でコントロールできるものではない、努力で思い通りにさせることができるわけでもないということが言いたいのでしょう。
私は、特に仕事においては、努力次第で結果は出せると思って生きてきました。
しかし、仕事以外では、努力だけではどうにもできない事象があることに最近気づき始めたため、この文章に納得できたという意味でピックアップさせていただきました。
人生は、自分でコントロールできないことが多いし、努力したとしても叶わないことも多いのです。
特に他の人間が関わっている事象や健康に関してです。
そのことにいつか気づくのでしょう。
私は28歳で気づきましたが(遅いんかな)、自分でコントロールできる事象が少ないからこそ、維持できている期間に大切にできたり備えたりできるのでしょうね。
感想まとめ
この本は、後半は、実際の人の人生丸々を何人か説明しています。
人生の一時や半分などの単位で聞ける機会はあっても、生まれてから死ぬまでの人生(しかも結構極端な例)を聞ける機会は中々ありません。
そのため、その人生を丸々知って、共感したり反面教師として捉えたり、人それぞれ感じることがあると思います。
そのため、論理的な文だけでなく、実際の人生を知ることでより身近に実感できることでしょう。
この本は、私自身もという本当に読んでよかった本になりました。
普段、ビジネスや投資の本しか読まない私ですが、この本は人生において読んでよかったと思えました。
人生に迷っている時や、人生の転換点だと思える時には是非読むことをオススメしたい本です。
あなたも、この本を読んで、自分の人生を見つめ直したり新たな世界線の発見があることを願っています。
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