今回は、決算書における「受託販売」について解説します。
受託販売とは
受託販売とは、他社(受託者)の代理店として、他社の商品を販売することです。
委託販売の受託者の立場から見た取引です。
受託販売の流れ
受託販売の流れは次の通りです。
①委託者から商品を受け取ります。
②顧客に商品を販売します。
③売り上げた商品に関する仕切精算書(売上計算書)を作成し、委託者に送付します。
④委託者に手取金(売上価額ー手数料等)を送付します。
受託販売の処理
受託販売では、委託者に対する債権債務は全て、受託販売という勘定科目で処理します。
商品を受け取った時
委託者から商品を受け取った時は、自社が販売する商品を受け取った(仕入れた)わけではないため、仕入等の処理は何もしません。
ただし、引取費用や倉庫料など、委託者が負担すべき費用を立て替えた時は、委託者に対して代金を請求できます。(委託者に対する債権が発生します。)
そこで、この場合は受託販売勘定の借方に記入します。
商品を販売した時
委託者から受け取った商品は受託者の商品ではないため、これを販売しても売上は計上しません。
ただし、商品の販売代金は後で委託者に渡さなければなりません。(委託者に対する債務が発生します。)
そこで、商品の販売額は受託販売勘定の貸方に記入します。
仕切精算書を送付した時
委託者から受け取った商品を販売すると、委託者から販売手数料を受け取ることができます。
そこで、販売手数料を記載した仕切精算書を作成し、これを委託者に送付します。
この時点で、委託者は受取手数料を計上します。
更に、この販売手数料は後で委託者から受け取ることができる(委託者に対する債権が発生する)ため、同額を受託販売勘定の借方に記入します。
委託者に手取額を支払った時
委託者に手取額を送付すると、委託者に対する債権債務がなくなります。
したがって、委託者に手取額を送付した時は、受託販売勘定の残高を減少させます。(受託販売勘定の借方に記入します。)
委託販売と受託販売は、商品の販売を委託した取引、または商品の販売を受託した取引ですが、これと似たような取引に、委託買付・受託買付があります。
まとめ
株式投資・経営において、決算書の理解は必須になります。
その際、簿記の知識も生かして決算書の理解を深めましょう。
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