今回は、決算における「売上原価の算定」について解説します。
売上原価の算定
売上原価とは、当期に販売した商品の仕入れ原価のことです。
通常、商品を仕入れたら、仕入(費用)として処理します。
期末に在庫(売れ残った商品)がある場合には、その分の原価を仕入(費用)から差し引かなければなりません。
また、期首に在庫がある場合、その在庫は当期中に販売されているため、その分の原価を仕入(費用)に加算する必要があります。
この修正を計算式にすると下記です。
売上原価 = 期首商品棚卸高(期首在庫)+ 当期商品仕入高(仕入)− 期末商品棚卸高(期末在庫)
・期首商品棚卸高:期首時点の在庫
・期末商品棚卸高:期末時点の在庫
・当期商品仕入高:当期に仕入れた金額
売上原価算定の具体例
例えば、機種に100万円分の在庫があり、当期中に10000万円分の商品を仕入れたとします。
期末の在庫が、200万円分残っていたとします。
この場合、当期に販売した商品の原価の式は下記です。
100万円+1000万円ー200万円=900万円
つまり、原価は900万円と言うことになります。
売上原価を算定するための決算整理仕訳
次に、売上原価を算定するための仕訳について説明します。
売上原価を算定するための仕訳には、仕入勘定で算定する場合・売上原価勘定で算定する場合の2パターンがあります。
よく用いられるのは仕入勘定のため、仕入勘定の方を説明します。
売上原価を仕入れ勘定で算出する場合、仕入勘定・繰越商品勘定を用います。
繰越商品とは、期末に売れ残った商品(期末商品棚卸高)のことです。
この繰越商品は、翌機種に繰り越されます。
したがって、当期の決算を行う前の繰越商品勘定の残高は、当機種における商品の残高(期首商品棚卸高)を意味します。
期首時点で保有している商品は、当期中に販売されるため、期首商品棚卸高(資産)は当期の売上原価(費用)となります。
そして決算において、期首商品棚卸高を繰越商品(資産)から仕入(資産)に振り替えて、仕入(費用)に加算します。
続いて、期末商品棚卸高を、仕入(費用)から繰越商品(資産)に振り替え、仕入(費用)から減産します。
つまり、期末商品棚卸高は、当期に仕入れた商品のうち、売れ残った在庫(資産)を意味します。
そしてその分だけ仕入(費用)を減産し、繰越商品(資産)とします。
まとめ
株式投資では、決算を読み込むために簿記の知識もあると優位になります。
今後も決算を読み解いていきましょう。
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