今回は、仮想通貨「Ethereum Classic」(イーサリアムクラシック)について解説します。
Ethereum Classicとは
Ethereum Classic(イーサリアムクラシック)とは、The DAO事件の発生によりイーサリアム内の開発者間で意見が分かれたことを機会に誕生した仮想通貨です。
トークンは「ETC」です。
イーサリアムクラシックには、イーサリアムの創設メンバーであったチャールズ・ホスキンソンの開発した「Input Output HK」という会社も携わっています。
イーサリアムクラシックコミュニティの理念は「Code is low(=プログラムコードが法律)」です。
そのため非中央集権を大事にしており、イーサリアムクラシックのブロックチェーン上には現在でもハッキングされたデータも含め全てが改善されずに残っています。
イーサリアムクラシックの価格・時価総額はこちらで確認できます。
Ethereum Classicの特徴
IoT
イーサリアムクラシックは、IoT(Internet of Things)が特徴的です。
IoTとは、モノとモノをインターネットで繋ぐ技術の分野のことです。
イーサリアムクラシックでは、IoT技術とブロックチェーン技術を融合させることを目指しています。
IoT分野では様々なセンサーを接続して膨大な量のデータを処理することから、接続するセンサーの数が多くてもデータの処理能力が悪化しない機能が必要とされます。
イーサリアムの方は、データの処理数が増加するとネットワーク使用料金が高騰してしまうため、IoTのように小さな処理を多数行いにくいです。
そのため、手数料が安いイーサリアムクラシックを活用する流れになりました。
したがって、イーサリアムクラシックでは、ブロックチェーン技術とIoT技術を融合させたシステムの構築がされています。
一方、イーサリアムはDappsに力を入れているため、ここで差別化されてそれぞれの需要を生み出そうとしています。
サイドチェーン
イーサリアムクラシックでは、サイドチェーンの実装を予定しています。
※サイドチェーンとは、メインチェーンとは別のブロックチェーンを利用することにより手数料を下げたりすることができます。
このサイドチェーンが実装されると、今まで以上にスマートコントラクト(【 スマートコントラクトとは 】Defi)をスムーズに利用することができます。
Ethereum Classicの歴史
2016年に、イーサリアム上に作られている「The Dao」のサービスにて、約360万ETH(日本円で約65億円)ハッキングされました。
これはICO(仮想通貨における【 ICOとは 】歴史・機能・条件・規制・リスク/IPO・IEOとの違いまで解説)で調達した資金の3分の1以上です。
これによりイーサリアムの開発チームは、ハードフォークにより不正送金が行われる前の状態に戻すことにしました。
具体的には、このハッキングがされる前の状態までにブロックチェーンの取引記録を戻したということです。
ここで用いられたのがハードフォークです。
ハードフォークとは→仮想通貨における【 ハードフォークとは 】ソフトフォークとの違いについても解説
しかしイーサリアムの開発チームによる介入が非中央集権的な仮想通貨の理念に反するため、コミュニティに反対意見が現れました。
そしてイーサリアムコミュニティは「巻き戻しを応援する派」と「巻き戻しを拒否する派」に分岐しました。
このようにして、イーサリアムから分岐してイーサリアムクラシックが誕生しました。
イーサリアムとイーサリアムクラシックの違い
イーサリアムとイーサリアムクラシックの違いについて説明します。
イーサリアムクラシックは、イーサリアムから分岐した仮想通貨のため根本は似ているのですが、違いはあります。
違いを表にてまとめました。
イーサリアム | イーサリアムクラシック | |
中央集権型度合い | 強い | なし(分散型) |
スマートコントラクトにおいて 力を入れている開発 | Dapps | IoT |
ガス代 | 高い | 安い |
発行上限 | なし | 約2億1000万ETH〜2億3000万ETH |
コンセンサスアルゴリズム | PoS(2022年時点では移行中) | PoW |
投資の視点からの将来性・まとめ
投資の視点で考えると、イーサリアムクラシックは手数料が安いという点と発行上限が定まっている点ではイーサリアムクラシックの方が有利です。
しかし、コンセンサスアルゴリズムがPoWであるため、長期的に考えると環境面で不利になる時代がやってくる可能性が高くなってしまいます。
完全に非中央集権であればビットコインの方が確立させることができているし、仮想通貨全体で考えると非中央集権というよりIoTが最大の特徴になるのでしょう。
IoTが特徴のため、それをどれほど世界に活かせるかということのポイントになってきます。
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