ROEとは
ROEとは、自己資本利益率です。
ROEは英語で「Return On Equity」の略称です。
ROEは、株主の出資を用いてどれほどの利益を出せているかの指標です。
会社は、株主が出資した資本を用いて事業を経営します。
株主からすると、出資した資金を効率よく用いて利益を出してくれる方が株主自身も利益を出すことができます。
ROEを同業種の会社と比較すると、どの会社が効率よく利益を稼ぐことができているか明確になります。
そのため、同業種の会社同士で比較してみましょう。
ROEの計算式
ROEの計算式は下記です。
ROE(自己資本利益率)=当期純利益÷自己資本×100
つまり、自己資本のうちどれほどの当期純利益を出すことができているかが分かります。
ROE計算式の例
ROEの計算式の例を挙げます。
当期純利益 | 自己資本 | |
A社 | 10億円 | 100億円 |
B社 | 2億円 | 10億円 |
A社とB社のROEは下記になります。
A社 10億円÷100億円×100=10%
B社 2億円÷10億円=20%
つまり、A社よりB社の方が効率よく利益を稼ぐことができていると分かります。
ということは、投資するのであれば、B社に投資した方が資金対期待値が高いということです。
したがって、ROEは株主がとても重要視する指標になります。
昔は、日本の平均ROEは6〜7%ととても低かったですが、現在(2021年)では日本の平均ROEは10%となっています。
日本株の場合、ROE15%だと良い企業という判断がなされています。
ROEを上げるためには
ROEを上げるためには、2つ方法があります。
①当期純利益を上げる
②自己資本を減らす
剰余資金が多く余っている場合、自社株を買い増したりすることで、自己資本を減らすことができます。(その代わり自己資本比率は下がります。)
注意点は、借入金によってもROEは高くなるため、自己資本比率もみながら判断しましょう。
ROAとは
ROAとは、総資産利益率です。
会社の資産を用いてどれほどの利益を出すことができているかという指標です。
ROAは、英語で「Return On Assets」の略称です。
ROAの計算式
ROAの計算式は下記です。
ROA(総資産利益率)=当期純利益÷総資産×100
計算式の例
ROA計算式の例を挙げます。
当期純利益 | 総資産 | |
C社 | 10億円 | 200億円 |
D社 | 15億円 | 250億円 |
C社 10億円÷200億円×100=5%
D社 2億円÷20億円×100%=10%
したがって、D社の方が総資産を効率的に用いて利益を稼ぐことができているということです。
現在(2021年)の日本株のROA平均は、5%です。
米国株だと平均が更に上がります。
ROAを上げるためには
ROAを上げるためには、方法は2つあります。
①当期純利益を上げる
②総資産を減らす
当期純利益に関してはROEと同じのため、総資産の減らし方の例を説明します。
総資産を減らすためにできることは下記です。
・在庫を減らす
・滞留再建を処理する
・不要な設備を売却する
・効率の悪い投資をやめる
ROAを改善するためには、分子である当期純利益を増やすか、分母である総資産を減らすことが必要です。
利益を増やす方法は会社によって様々な方法が考えられます。
総資産を減らすためには、資産規模を圧縮することが考えられます。
具体的には下記です。
・在庫を減らす
・滞留債権を処理する
・不要な設備を売却する
・業務とは関係のない投資は解約する
これらを不要不急の資産を現金化し、借入金を返済するなどがあります。
注意点
業種によっては、ROE・ROAのパーセンテージ平均が大きく異なります。
そのため、他業種での比較では、本当にその企業が自己資本や総資産に対して効率よく利益を出しているか測ることが複雑になります。
そのため、特に同業種間での比較に利用しましょう。
理由は下記です。
特にROAは、多額の設備投資が必要な会社(工場など)はROAが低くなる傾向があります。
しかし多額の設備投資が必要でない会社(ITなど)は、ROA平均が高くなる傾向があります。
まとめ
これらの指標は分かりづらいですが、覚えておくと便利です。
その他にも、ROICも似ている指標のため、一緒に覚えておきましょう。→【 ROICとは 】計算式まで分かりやすく解説
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