今回は、「軽量心理学の誤差」について解説します。
計量心理学とは
まずは、計量心理学から説明します。
計量心理学とは、心理学研究法の重要な部分をなす測定法のことです。
つまり数量化の研究です。
具体的には、「精神測定法」や「心理学的測定法」のことです。
続いて、計量心理学の誤差について説明します。
計量心理学の誤差とは
計量心理学の誤差とは、確率判断は系統的な要素に一定量のランダム誤差が加わったものです。
具体的には、仮に真の値がバイアスのないものであっても、反応段階でのランダムな誤差によって、客観確率と自信の率が対応しない状態のことです。
つまり平均への回帰効果によって末端過剰が生じている状態のことです。
これは、不正確な判断が末端過剰のバイアスを生み出ているという状態です。
そのため、ランダムな反応誤差を削減すれば改善されると考えられています。
具体例
判断された確率Xと、客観確率Yを例に挙げます。
判断された確率Xの関数として客観確率Yがプロットされていると仮定するのであれば、回帰効果で高い評価確率は相対的に低い結果確率と対応します。
そのため、尺度の高い方では自信過剰現象が起き得ます。
ただ、逆にXYの影響関係を逆転させれば自信過剰現象は説明できないことになります。
そしてこのことはキャリブレーション曲線において自信過剰を判断することの危険性が明らかにされています。
ランダムな誤差を除くため判断を繰り返し測定した研究でも全体的に末端過剰です。
このことから、誤差モデルだけで自信過剰の現象を説明するのは不十分であることが明らかになりました。
以上のように、確定的な説明は定まっていませんが、単なる楽観主義(詳細→経済心理学【 楽観主義とは 】分かりやすく解説)の影響ではなく、基準比率(詳細→【 基準比率の無視とは 】例を挙げて分かりやすく解説)の影響や回帰効果など、認知的な複数の要因が複合的に影響しているという考え方が最も有力です。
まとめ
経済心理学の中には、言い切れない事象が多々ありますね。
断定はできないけど、有効であるというデータがある、という事例です。
計量心理学の誤差もまさにそうですが、
平均への回帰効果によって末端過剰が生じる傾向があるということを念頭においておきましょう。
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