今回は、「公募株」「公募増資」「公募売出」についてそれぞれ分かりやすく解説します。
公募株とは
公募株とは、証券取引市場だけでなく、広く一般に買い付けの募集がされる株式のことです。
公募株には2種類あります。
・増資・・・上場済みの企業が、資金を調達するために新株を公募すること
・売出・・・個人が自らの保有する株を公募で放出すること
公募株、特に増資が発行された場合、需給のバランスが崩れ、株価が一時的に下がる傾向があります。
そのため、既存株主と新規株主の利害調整が重要になります。
公募によるメリット
企業側のメリット(公募する側)
・大量に株式を発行できる
株主側のメリット
・証券取引市場での購入と比較し、割引された価格で購入できる
・株式を購入する際に証券会社に手数料を支払わなくて良い
公募増資とは
公募増資とは、新しい株式を発行する際、不特定・多数の投資家に対して取得の申し込みを勧誘することです。
公募増資の目的は下記です。
・設備投資などの資金を広く一般投資家から集めるため
・株主層の拡大や株式の流注量の増加
公募増資の価格は、時価に近い多少割安な水準に決められ、既存株主の利益を損なわないように配慮されています。
株式市場が順調に上昇している状況で公募増資が行われる場合は、株式の量が増加することにより受給悪化のリスクはあまりありません。
しかし、取引量が少なく相場が低迷している状況で公募増資が行われる場合は、受給悪化で株価が更に下落してしまうリスクがあります。
公募売出とは
売出とは、50人以上の不特定多数の投資家に対して、同条件で、既に発行されている有価証券の売付けの申し込みや買い付けの申し込みをの勧誘をすることです。
つまり、多数の投資家に対し、主に株式などを公開する企業の大株主などが保有する既に発行された株式などの売付の申し込み・投資家にその買い付けの申し込みを勧誘することです。
上場間もない企業などの大株主である創業者やベンチャーキャピタルなどが大量に保有している株を市場で売買すると、市場に与える影響が大きくなるため、売出という方法が取られる場合があります。
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