今回は、仮想通貨「Tornado Cash(TORN)」について解説します。
Axie Infinityのハッキングにも使用されたことで話題になりました。
Tornado Cash(TORN)とは・創設者・特徴・供給量・上場している仮想通貨取引所・投資における将来性、の順で説明していきます。
Tornado Cash(TORN)とは
Tornado Cash(TORN)とは、トランザクションのトレーサビリティを取り巻く仮想通貨のプライバシーと匿名性に関する多くの問題を解決することを目的とした仮想通貨です。
Trnado Cash v1は、2019年に実験的なソフトウェアとしてリリースされました。
その後、プライベートトランザクションを許容する、完全に分散化された非管理プロトコルに進化しました。
Trnado Cashは、イーサリアムネットワーク上でスマートコントラクト(詳細→【 スマートコントラクトとは 】Defi)を利用しています。
このプロトコルは、送信者と受信者のアドレス間のオンチェーンリンクを中断します。
これにより、プライバシーを実現できるのです。
このテクノロジーの実装は、「分散型ミキサー」と呼ばれます。
そしてトランザクションを変更または改ざんできないことを意味しています。
Tornado Cashの公式ホームページはこちらです。
創設者
Tornado Cashの共同創設者は、2人います。
そのうちの1人目は、Roman Semenov氏です。
彼はモスクワ州立大学で粒子統計学と場の理論学び、卒業しました。
その後えコマースとソーシャルメディアで働きました。
そしてその分野で3つの会社を設立しました。
2017年、セメノフは仮想通貨に進出しました。
特にイーサリアムのスケーラビリティに焦点を当てた財団でチーフソフトウェアアーキテクトとして働いていました。
2018年には、ホワイトハットハッカーのセキュリティコンサルタント会社であるPepperSecを設立しました。
それが、Tornado Cashの作成につながりました。
Trnado Cashのもう一人の共同設立者は、Roman Storm氏です。
彼は、テクノロジー・ブロックチェーン・ソフトウェアの世界で長い職歴を持っています。
以前は、AmazonとMaketronでソフトウェアエンジニアとして働いていました。
また、POAネットワークの最高技術責任者も勤めていました。
Stormは、Blickchainlabz.nzのブロックチェーン開発者としての地位も保持していました。
そして二人は、PepperSecを設立し、その後Trnado Cashを開発しました。
特徴
匿名性
Tornado Cashは、完全にパーミッションレスで、自己実現可能なコードを実行します。
2020年に、開発者は、管理者キーを破棄しました。
これは、開発者自身がプロトコルで発生するトランザクションを確認または変更する能力がないことを意味しています。
チームは、コードをGit Hubに公開すること以外は、プロトコルについてあまり監視していないと述べています。
そして、経済的プライバシーは自由にとって不可欠であると主張しています。
管理キーを破棄するために使用される暗号化手法(MPC)は、Tornado Cashでのトリキが「トラストレスであり、完全に止められない」ということを意味しています。
これはつまり、匿名性のレベルは、Tornado Cashでの取引が制裁を回避する可能性さえあるということです。
このプロトコルは、盗んだ資金を保管するために使用できるハッカーによる使用についてしばしば批判されています。
マネーロンダリング(詳細→【 マネーロンダリングとは 】分かりやすく解説)の手段として挙げられているからです。
プロトコルの極秘性にも関わらず、大量の預金と低い流動性がある場合、取引を追跡する方法があるかもしれないと主張する人もいます。
ゼロ知識証明
Tornado Cashは、イーサリアムネットワーク上で動作しています。
そして、ゼロ知識証明によって保護されています。
※ゼロ知識証明とは→仮想通貨における【 ゼロ知識証明とは 】メリット・デメリットまで解説
トルネードキャッシュプロトコルと匿名マイニングプロトコルは、Zeropoolを含むいくつかの専門の監査会社によって監査されています。
Axie Infinityの70億ドルのハッキングに関与
2022年3月、Axie InfinityというGameFiで、70億ドルのハッキングがされました。
その際、Tornado Cashが用いられました。
具体的な流れは下記です。
①盗まれたETHを中間ウォレットに送金
②Tornado cashを用いて、ETHを複数回に分けてミキシング
③ETHをBTCに変換
④BTCを複数回に分けてミキシング
⑤現金化のため、BTCを法定通貨で売却できるサービスに送金
ここでTornado Cashが利用されたことが発覚し、問題とさmレアした。
米国の認可
2022年、トルネードキャッシュは、コインミキサーが米国市民からのマネーロンダリングに使用されたという一連の申し立てを受けました。
そして、米国によって正式に認可されました。
具体的には、米国財務省は、過去3年間で70億ドル以上のデジタル資産がトルネードキャッシュを通じて洗浄されたと主張しています。
これらの制裁の発表は、価格の暴落・高レベルのトローリング・逮捕につながりました。
逮捕とは具体的には、トルネードキャッシュの29歳のソフトウェア開発者が逮捕されたということです。
匿名のトルネードキャッシュユーザーが、有名人やその他の著名ユーザーの公開アカウントに0.1ETHを送信しています。
そしてこれらのアカウントが関与している可能性があります。
供給量
TORNの最大供給量は、1,000万ドルです。
TORNトークン発行スケジュールは次の通りです。
・5%:Tornado .Cash ETHプールの早期ユーザーへのエアドロップ
・10%:Tornado.Cash ETHプールの匿名マイニング:1年間で直線的に分配
・55%:DAOトレジャリー:3ヶ月のクリフ:5年間にわたって直線的にロック解除
・30%:創業開発者と初期サポーター:1年クリフで3年かけて直線的にロック解除
上場している仮想通貨取引所
TORNの上場している仮想通貨取引所は次のとおりです。
・Binance
・Gate.io
・Uniswap V2
投資における将来性
今後、Tornado Cashはこのように資金洗浄として、ハッキングに用いられる可能性があります。
その都度、国家からの規制が厳しくなり、匿名性のブロックチェーンは敵対視される可能性があります。
実際、マネーロンダリングの問題になっているため、これは仮想通貨業界の中でも問題となります。
アクシーインフィニティの場合は、70億ドル分のうち、3000万ドルのみ変換されましたが(2022年9月現在)、まだまだ捜査中です。
ハッカーに対してのみ対策ができたり、システムが変化すれば良いのですが、
変化しない場合、プライバシー保護のブロックチェーンへの規制が厳しくなり、価格が暴落するリスクが大きくなっていきそうですね。
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