今回は、繰延ヘッジ損益について解説します。
繰延ヘッジ損益とは
繰延ヘッジ損益とは、繰延られたヘッジの損益のことです。
繰延の日本語の意味は、「延期する」という意味です。
帳簿上のヘッジ損益
帳簿上では、時価評価しないものが資産・負債にあります。
そのリスクヘッジのために、デリバティブなどの時価評価するものが用いられているとすると、そのデリバティブなどを直評価した差額を、ヘッジ対象の損益が確定するまで繰り延べることで調整します。
したがって、デリバティブなどの時価評価額の増減、つまり繰延ヘッジ損益の増減を常に成り立たせることにより、貸借対照表の調整を行います。
これが繰延ヘッジ会計です。
繰延ヘッジの例
例えば先物取引です。
1年後にある商品を1000円で売る先物取引の契約を締結したとします。
その先物は、その商品の価格変動に伴って価格が変動します。
この変動を貸借対照表にすると、その商品は棚卸資産に計上されます。
※棚卸資産とは→貸借対照表における【 棚卸資産とは 】分かりやすく解説
先物の価値は、「先物取引差金」という項目で資産・負債の欄に計上されます。
すると、決算に正確に反映するためには、棚卸資産は時価評価の変動を受けず、先物取引差金の増減により、ある項目が増減する必要があります。
それが、純資産に計上される繰延ヘッジ損益です。
先物などの取引が終了して損益が確定すると、その取引による先物取引差金が消失し、棚卸資産と繰延ヘッジ損益も計上されなくなります。
まとめ
株式投資においては、簿記や会計の知識もあると有効活用できますね。
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