今回は、株式投資における「日経平均」について説明していきます。
日経平均とは
日経平均は、日本の平均株価です。
トヨタ自動車やメガバンクなど、日本を代表する225社の株価の平均値を算出した「株価指数」のため、海外ではNikkei225という名称で普及しています。(225社は定期的に入れ替わっています。)
日本経済新聞社が算出している指数ですが、日本株の動きを知るうえで最も有名で注目度の高い株価指数です。
日本株を取引している人は皆注目しています。
なお、日経平均に次いで注目されている代表的な株価指数に「TOPIX(東証株価指数)」というものもあります。
日経平均が上昇している日は、「本日の日本株は好調だ」と考える傾向があります。
日経平均が下落していると「本日の日本株は不調だ」と考える傾向があります。
実際にはわずか225社の株価しか反映していないため、日本市場全体の動向を示しているとは言えません。
しかし、ここでは規模が大きく、活発に取引されている会社が選ばれているため、全ての投資家がチェックし、必ずといっていいほど売買の判断材料の1つにしています。
そのため「投資」でも「トレード」でも日経平均の動きには注意しましょう。
日経平均から分かる歴史
2000年・・・・ITバブル
日本やアメリカでIT関連企業の人気が高まり、株価が急騰。その後バブルが弾ける。
2003年4月・・・ソニーショック
ソニーの大幅減益という決算発表で、電機関連株を中心に株価が大きく下落した。
2008年9月・・・リーマンショック
アメリカの大手投資銀行リーマン・ブラザーズの破綻で、世界的な金融危機が起こる。
2011年3月・・・東日本大震災
大震災で、日経平均株価が低迷。再び1万円を下回る。
2012年12月・・・第二次安倍内閣発足
アベノミクスと呼ばれる経済立て直し政策の期待値もあり、景気が回復基調へと転換した。
2013年9月・・・東京オリンピック開催決定
2020年のオリンピック開催地が東京に決まる。アベノミクス効果と相まって株価が上昇。
TOPIX(東証株価指数)
・東証株価指数(Tokyo stock Price Index)とは。東証一部に上場する全銘柄の時価総額(株価に発行済み株式総数をかけたもの)の合計をベースとして算出された数値
・日経平均株価は、選ばれた225銘柄の株価の単純平均のため、株価が高い銘柄に影響されやすいことに対し、TOPIXは全銘柄の時価総額を対象にしているため、市場全体の動きをより正確に捉えている指数
日経平均とアメリカの株価日経平均の関係
株式市場は世界中にあるが、一番規模が大きく、世界中の投資家が注目しているのはアメリカの市場です。
アメリカの代表的な株価指数に「ダウ平均株価(NYダウ)」と「NASDAQ(ナスダック)総合指数」があり、どちらも世界中の投資家に注目されています。
NYダウは、アメリカにおける日経平均のようなものです。
ニューヨーク証券取引所という世界最大の取引所に上場する株を中心に、アメリカの大企業30社の株価を平均して算出しています。
NASDAQは、新興企業が数多く上場する市場です。
新興市場とはいえ、日本と比較しとても大規模です。
日本に上場する全ての企業の規模を合わせても、ニューヨーク証券取引所どころかNASDAQにも及びません。(アップル、マイクロソフト、アマゾン、フェイスブックはNASDAQに上場しています。)
そのため、NASDAQ総合指数(NASDAQに上場する全銘柄を対象に算出)も、NYダウと同様、常に注目されています。
日本株の動きは、NYダウやNASDAQ総合指数に連動する傾向があります。
アメリカの市場が閉じるのは日本時間の早朝のため、前日のNYダウの動向を参考に、日本株を売買する投資家が沢山います。
特に「トレード」をする人は、これらの指数を気にかけておきましょう。
ダウ平均株価
・ニューヨーク証券取引所とNASDAQに上場するアメリカ大企業30社を対象に算出する指数
・規模の影響力も大きく、日経平均株価のアメリカ版
<主な銘柄>
・ゴールドマンサックス
・JPモルガンチェース
・GE
・ボーイング
・コカコーラ
・P&G
・IBM
・AT&T
・エクソンモービル
・ナイキ
など
NASDAQ総合指数
・アメリカの新興企業が数多く上場する市場(NASDAQ)の全銘柄を対象に算出する指数
・新興市場銘柄だが、大きな影響力を持つ
<主な銘柄>
・アマゾンドットコム
・アルファベット(グーグルの持株会社)
・アップル
・マイクロソフト
・フェイスブック
・インテル
・ギリアドサイエンシズ
・シマンテック
・ヤフー
など
世界の証券取引所とその規模
・証券取引所のなかで世界最大規模なのはアメリカのニューヨーク証券取引所(NYSE)
・NYSEに上場する企業の時価総額の合計は群を抜いており、2位のNASDAQ市場の2倍以上
・NYSEは時価総額で3位は東証だが、2位との間には開きがあり、むしろ4位の上海証券取引所が肉薄している
株価と円高・円安の関係
日本円と海外の通貨を交換することを「外国為替取引」と呼び、交換する際の比率(レート)を「為替レート」と呼びます。
重要なのは、ドル円とユーロ円のレートです。
「円高」「円安」とは、アメリカドルに対して円が高いか安いかを示しています。
ドル円が重要な理由は、取引量が多く、多くの日本企業の業績に影響するからです。
日本には海外と取引(輸出や輸入)している会社が沢山あります。
輸入するときはドルで支払うためドルが必要なうえ、輸出するときはドルを円にして受け取ります。
このとき、外国為替取引が生じるため、為替レートによって損したり得したりします。
輸出企業は円安の方が得、輸入企業は円高のほうが得です。
そのため、円安になると輸出企業の株が買われやすい傾向になります。
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