今回は、仮想通貨「Stellar」について解説します。
Stellarとは・特徴・ロードマップ・投資における将来性の順で説明します。
Stellarとは
Stellar(ステラルーメン)とは、ステラ開発財団が開発した分散型台帳で発行された仮想通貨です。
トークンは「XML」です。
Stellarは、安価で使いやすいグローバルな決済システムを作ることにより、多くの人々が金融サービスを利用できるようにすることを目標として作られました。
また、リップル(XRP)開発者の1人であるジェド・マケーレブ氏を中心に開発されており、その後独自のコンセンサスアルゴリズム(詳細→仮想通貨における【 コンセンサスアルゴリズムとは 】分かりやすく解説)であるSttelar Consensus Protocol(ステラコンセンサスプロトコル)に移行しています。
これにより、マイニングを必要とせず、迅速で低コストで大量の取引を処理することができています。
Stellarの発行上限は「1,000億枚+年1%増加」です。
Stellarの公式ホームページはこちらです。
Stellarの特徴
中央集権的に方針が決められている
開発元のステラ財団がStellarを管理しているため、仮想通貨の中では中央集権的です。
一方ビットコインなどは、非中央集権のため、管理者がいません。
中央集権的だと管理者がいるため開発速度が速いことがメリットですが、方向性が独裁的であることがデメリットです。(つまりStellar財団が解散してしまうとStellarの価値も下がってしまうということです。)
IBM World Wire(ブリッジ通貨)
Stellarは、大手企業IBMと組み、「IBM World Wire」というブリッジ通貨を開発しました。
ブリッジ通貨とは、法定通貨同士の交換ができる通貨のことです。
例えば、米ドル→Stellar→日本円、日本円→Stellar→ユーロなど、Stellarを通して法定通貨の交換ができるということです。
これにより、低コストで国際送金が可能になっています。
これまでのシステムでは空港などで長い時間と高い手数料を支払って法定通貨を両替したり送金したりしていました。
例えば銀行から海外に送金する際の手数料に3,000円ほどかかり、着金までに2〜4営業日(休日・祝日は休業)かかっていました。
しかしStellarでは手数料0.4円で、2〜5秒で着金できます。
国際送金が低コストでできるため、Stellarの需要となっています。
特に発展途上国などでは銀行口座を持てない人々がいるため、銀行口座を持たなくても送金が行えるようになりました。
Stellarはイスラムの決済ネットワークとして拡大していくと公開していることもあり、アジアやイスラム圏で市場拡大してきています。
また2021年1月、ウクライナ政府はステラとの提携発表しました。
ステラ財団はウクライナの仮想通貨市場開発に協力的で、今後もプロジェクトのサポートを予定しています。
決済処理が速い・安い
Stellarは決済処理が速いため、送金時間が2〜5秒で非常に速いです。
上記にもあるとおり、SCP(ステラコンセンサスプロトコル)が理由です。
これはリップルをベースに作られているからということもあります。
取引処理のノードの役3分の2の承認で行えるため、実質リップルよりも処理が速いです。
リップル(XRP)の価格変動に影響を受ける
Stellarはリップル(XRP)をベースに作られているため、リップルの価格が変動すると、それに合わせて価格変動する傾向があります。
システム自体はほぼ同様のため、リップルのシステムに何か問題があるとStellarも問題がある可能性が高いからです。
バーンが実施されたことがある
2019年に、ステラ開発財団によって550億XLM(当時の供給量の50%)のステラがバーンされました。
これによりStellarの市場供給が燃焼し、価格が上昇しました。
今後のバーンはステラ開発財団のため、バーンに関する情報はステラ開発財団からの発表の情報を追いましょう。
Stellarのロードマップ
2021年に、ステラ開発財団はロードマップを公開しました。
ステラ開発財団は、「ステラを基盤とするプロジェクトの増加・ステラ関連の取引の増加・ステラの認知度向上」という目標を掲げています。
この目標達成のために、3つの戦略を公開しています。
①Stellarの安全性と使いやすさを改善する
②Stellarの認知度と信頼性を高める
③国際送金や証券化資産のための持続可能なユースケースを創出する
投資における将来性・まとめ
Stellarはガッツリ中央集権ということが特徴ですね。
そして市場供給量の50%バーンという事実は驚愕ですね。相当な額バーンされていることが分かります。
更にステラ開発財団は、発展途上国の口座を持てない層の手助けをしたり非営利団体を対象とした寄付キャンペーンも行ったり、世界的に素晴らしい活動をなさっていることが伺えますね。
ウクライナの戦争の件でも、Stellarは活躍していますし、今後もこのように助かる国が増加すると考えられます。
しかし時代が進み、全ての仮想通貨が法定通貨と交換できるようになったとしたらStellarの需要は下がってしまうのかなとも考えられます。
つまり、全ての仮想通貨が法定通貨と交換できるシステムが実装されていない状態ではStellarno価値は(特に戦争の時にも)増加していく可能性がありますね。(仮想通貨が頻繁に使用されるようになる何年、何十年後と考えると需要はそれまでという可能性も高いですが)
しかし助けられた国にStellarが愛されて、Stellarを持っていたいという理由が増加すれば事態は好転する可能性もありそうですね。
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