今回は、決算書における「リース取引」について解説します。
リース取引
リース取引とは、パソコン。ファックスなど、事業を行うのに必要な固定資産(リース物件)をあらかじめ決められた期間(リース期間)にわたって借りる契約を結び、借手(れっしー)が貸して(レッサー)に使用料を支払う取引のことです。
リース取引の分類
リース取引は、ファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引に分類されます。
ファイナンス・リース取引
ファイナンス・リース取引とは、リース取引のうち、①解約不能(ノンキャンセラブル)、②フルペイアウトの2要件を満たす取引のことです。
オペレーティング・リース取引
オペレーティング・リース取引とは、ファイナンス・リース取引以外のリース取引を言います。
ファイナンス・リース取引の処理
ファイナンス・リース取引では、通常の売買取引(固定資産の購入)と同様の処理を行います。
利息相当額の処理
借手が貸手に支払うリース料(リース物件の使用料)の中には、利息相当額が含まれますが、この利息相当額の処理については、原則と例外があります。
利子込み法・利子抜き法
リース取引を開始したときは、リース物件を購入し、代金を分割で後払いにした場合と同様の処理をします。
具体的には、リース資産(資産)を計上するとともに、リース債務(負債)を計上します。
備品を購入し、代金は分割で後払いしたとき、備品(資産)を計上するとともに、未払金(負債)を計上します。
これと同様の処理で、勘定科目がリース資産(資産)とリース債務(負債)となるだけです。
更に、リース資産は備品・車両などで処理することもあります。
更に、リース資産(資産)として計上する価額は、利子込み法・利子抜き法で異なります。
利子込み法の場合
まず、利子込み法の場合の処理です。
【リース取引を開始した時】
利子込み法において、リース取引を開始したときは、利息相当学を含んだリース料総額で、リース資産(資産)を計上するとともに、リース債務(負債)を計上します。
【リース料を支払った時】
リース料を支払ったときは、支払ったリース料の分だけリース債務(負債)を減少させます。
【決算時】
決算時には、リース資産の計上化学をもとに、耐用年数をリース期間、残存価額を0円として減価償却を行います。
利子抜き法
【リース取引を開始したとき】
利子抜き法において、リース取引を開始した時は、リース料総額から利息相当額を控除した金額(見積現金購入かがく)で、リース資産(資産)を消え場するとともに、リース債務(負債)を計上します。
【リース料を支払ったとき】
リース料を支払ったときは、支払ったおリース料(利息相当額を除いた額)の分だけリース債務(負債)を減少させます。
また、利子抜き法でよりしている場合には、リース料総額に含まれる李おく相当額を支払い李おく(費用)として計上します。
この場合の利息相当額(支払ったリース料に含まれる利息相当額)は、定額法(毎回、均等額
が発生しているとして処理する方法)によって計算します。
【決算時①】
決算時には、リース資産の計上価額をもとに、耐用年数をリース期間、残存化学を0円として減価償却を行います。
【決算時②】
リース料の支払日・決算日が異なる場合には、当期に発生している利息相当額のうち、まだ支払っていない分について利息の未払計上を行います。
この場合の貸方科目(未払利息)は、リース債務(負債)として処理することもあります。
【翌期首】
決算日において、支払利息の未払計上を行なった場合は、翌期首において再振替仕訳をします。
際振り替え仕訳は決算日に行なった仕分けの逆仕訳です。
オペレーティング・リース取引の処理
オペレーティング・リース取引では、通常の賃貸借取引(固定資産を借りたとき)に準じた処理を行います。
リース取引を開始したとき
オペレーティング・リース取引を開始したときには、なんの処理もしません。
リース料を支払ったとき
リース料を支払ったときは、支払ったリース料を支払リース料(費用)として計上します。
決算時
リース料の支払日と決算日が異なる場合には、当期に発生しているリース料(賃貸料)のうち、まだ支払っていない分についてリース料の未払計上を行います。
これは、事務所を借手いる場合の、家賃の未払い計上と同じです。
事務所を借手いる場合には、貸借料(家賃)の支払いはありますが、減価償却費の計上はしません。これは、オペレーティング・リース取引(賃貸借処理)も同様です。
翌期首
リース料の未払計上を行なった場合には、翌機種において際振り替え仕訳をします。
まとめ
株式投資では、決算を読み込むために簿記の知識もあると優位になります。
今後も決算を読み解いていきましょう。
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