今回は、仮想通貨「Oasis Network(ROSE)」について解説します。
Oasis Network(ROSE)とは・創設者・特徴・供給量・上場している仮想通貨取引所・投資における将来性、の順で説明していきます。
Oasis Network(ROSE)とは
Oasis Network(ROSE)とは、プライバシーに焦点を当てたレイヤー1ブロックチェーンです。
Cosmos SDKを使用してオープンファイナンスと責任あるデータ経済のために構築されました。
これによりOasisは、そのブロックチェーン間通信プロトコルがローンチされると、Cosmos Oasisは、データのプライバシーとユーザーの秘密保持を促進するユースケースを優先します。
そしてプライベートで拡張的なDeFiをトレーダーだけでなく一般市場に拡大することを目指しています。
Oasisは、コントラクト経済とコンセンサス層を分離することで高いスループットを達成し、安全なアーキテクチャを誇っています。
このようにレイヤーを分離することで、ブロックチェーンはカスタマイズ可能な複数のランタイム(Para Times)をサポートする事ができます。
その構造は、Avalanche(詳細→仮想通貨の【 Avalanche(アバランチ)とは 】分かりやすく詳細まで解説)やPolkadot(詳細→仮想通貨の一種【 ポルカドットとは 】分かりやすく解説)のような、1つのエコシステムの中で複数の異なるブロックチェーンを接続する構造に似ています。
Oasisは現在メインネットで稼働しています。
今後は、Ethereum仮想マシン(EVM)互換のDeFi専用ParaTimeを立ち上げ、Para Time上で分散型取引所(DEX)と貸付プロトコルを開始し、さらにDeFiアプリを順次オンボードしていく予定としています。
※EVMとは→仮想通貨における【 EVMとは 】分かりやすく解説
※DeFiとは→【 DeFi(分散型金融)とは 】分かりやすく解説
Oasis Netwok公式ホームページはこちらです。
創設者
Oasis Network(ROSE)はDawn Song氏によって設立されました。
ブロックチェーン業界としては珍しく、女性によって設立された企業です。
Dawn Song氏は、カリフォルニア大学バークレー校の電気工学・コンピューター科学部の教授です。
ブロックチェーン・仮想通貨・機械学習などの分野でセキュリティとプライバシー技術の研究と構築に多大な時間を費やしてきました。
彼女は、AIの生成のフェイクから会社を守るという研究で、AWSマシーン・ラーニング・リサーチ・アワードを受賞しました。
Ensighta SecurityやMenlo Securityという高成長セキュリティ企業で上級職を歴任しています。
更に、このネットワークは、Andreessen Horowitz・Accel・Binance Labsなど、さまざまな有名なVCや投資家によって支えられています。
特徴
低額なガス代
Oasis Networkは、ガス代が低額です。
また、DeFi内でセンシティブなデータを利用しやすくするために、プライバシー機能の高度化も目指しています。
コンセンサスと実行を分離する事で、複数のParaTimeが並行して取引を処理し、単純な取引がより複雑な取引の速度を低下させること予防し、拡張性を実現させました。
その結果、Oasisdehaガス戦争が起こりません。
ParaTime
ParaTime層(実行層)は完全に分散的です。
そのため誰でも独自のParaTimeを開発・構築できます。
開発者のニーズに応じて、オープンにもクローズドにもする事ができます。
Oasisは、この洗練されたソリューションが、シャーディングやパラチェーンよりも効率的であると主張しています。
※パラチェーンとは→仮想通貨における【 パラチェーンとは 】分かりやすく解説
同程度のセキュリティを確保するためには、レプリケーション係数がより小さくて済むからです。
機密性保持
機密扱いのコンピューティング技術にも幅広く対応しています。
Oasis Eth/WASI Runtimeは、セキュア・エンクレー部を使って処理中のデータを秘匿する機密型Para Timeのオープンソースの一例です。
このネットワークには、既にいくつかの興味深いユースケースが存在します。
例を挙げると、BinanceはCryptoSafe Allianceを構築しています。
取引所が脅威インテリジェンスデータを共有できるようにしています。
Oasisの機密コンピューティング技術により、取引データは比較中であっても機密性が保たれます。
BMWは、社内システムで差分プライバシーのアプリケーションをテストし、Oasisが運営する台帳にアクセスを保存しています。
TEE
TEEとは、「Trusted Excution Environment」の略称です。
Oasis Networkでは、この安全なコンピューティング技術を使用する必要があります。
これは、機密的ParaTimeでスマートコントラクト(詳細→【 スマートコントラクトとは 】Defi)実行のための仮想ブラックボックスとして機能します。
暗号化されたデータはスマートコントラクトと共にブラックボックスに入ります。
そして複合化されたデータはスマートコントラクトで処理された後、再度暗号化されたTEEから送信されます。
このプロセスにより、データの機密性が保たれます。
ノードオペレーターやアプリケーション開発者に漏洩することはありません。
並列スマートコントラクトレイヤー
Oasis Para Timeスケーリングアーキテクチャは、コンセンサスから実行を分離することにより、高速なトランザクション速度・高いスケーラビリティ・大規模なワークロードをサポートしています。
※スケーラビリティとは→仮想通貨における【 スケーラビリティ問題とは 】分かりやすく解説
誰でも独自のParaTimeを作成できます。
Oasis Networkはアプリケーションとユースケースの豊富なエコシステムをサポートできます。
Oasis Networkのスケーラビリティは、他のネットワークよりも高速なトランザクション速度と高いスループットを提供する最先端の一連の機能によって実現されています。
ネットワークの最高レベルのパフォーマンスは、主に計算とコンセンサス操作がコンセンサスレイヤーとParaTimeレイヤーに分離されているからです。
この分離により、複雑なParaTimesがトランザクションを並行して処理できるようにしているのです。
つまり、1つのParaTimede処理された複雑なワークロードが、別のParaTimeのより高速で単純なトランザクションを遅くすることはありません。
PoS
Oasis Networkのコンセンサス層は、Proof of Stake(PoS)セキュアなブロックチェーンです。
※PoSとは→仮想通貨における【 PoW・PoSの違い 】どちらが良い?
独立したノードによって運営される分散型バリデータの集まりで構成されています。
供給量
ROSEの総供給量は100億ROSEです。
2022年現在は、循環サプライが総供給量に達していません。
トークン配分は次の通りです。
23.5% | ステーキング報酬 |
23% | バッカー |
5% | 戦略パートナー・予備 |
18.5% | コミュニティ・エコシステム |
10% | 財団寄付金 |
20% | コア・コントリビューター |
ネットワークを確保するためのステーキング報酬として、23億トークンが10年間にわたり自動的に支払われる予定です。
ROSEは、コンセンサス層での取引手数料・ステーキング・デリゲーションに使用されます。
ROSEをステークすることにより、ユーザーはOasisブロックチェーンの安全性を確保し、最大20%のAPYリワードを獲得する事ができます。
上場している仮想通貨取引所
ROSEは、次の仮想通貨取引所に上場しています。
・Binance
・KuCoin
・CoinBase
・Gate.io
これ以外にも、上場したり上場廃止したりする可能性もあるためその都度確認してください。
投資における将来性・まとめ
女性の創設者は非常に珍しいですね。
個人的に是非とも応援したいところです。
しかし現実的に考えてみると、プライバシー保護ブロックチェーンは規制が入りやすいです。
なぜなら、ハッカーがよく、プライバシー保護の仮想通貨やブロックチェーンを利用して、資金を奪っているからです。
そのため、プライバシー保護のネットワークを利用したハッキング被害が増加するごとに、プライバシー保護のネットワークに対して規制がかかりやすくなるということです。
プライバシーを保護するネットワークの需要が増していくのか、透明性の高いネットワークの需要が増していくのか、という大きな枠組みで考える必要もあります。
仮想通貨は、分散性や透明性が重視されるため、これらとは反対の需要を満たそうとしていることを理解しましょう。
また、もっとプライバシーに特化した仮想通貨では、Monero(詳細→仮想通貨【 Monero(XMR)とは 】創設者・特徴・投資における将来性についても解説)などがあります。
MoneroはOasis Networkよりも時価総額も大きいです。
しかし、Oasis NetworkはMoneroよりも多角化されているため機密性保持以外にも特徴があります。
そのため、Oasis Networkでなければならない強固な理由やポジションが確立されていくと良いですね。
【 跳ねるか・沈むか 】
— Miori (@mioriescom) April 3, 2022
仮想通貨はブロックチェーンによる透明性が特徴ですが、
Moneroは透明性を提供しておらずプライバシー保護に努めています。
そのため現状ハッキング等の違法取引に用いられているという問題があります。
しかし
続 https://t.co/ycpma8MJuC
ハッキング等が社会問題となり、匿名性を排除する時代の流れになるとXMRは需要が下がってしまうどころか規制をかけられてしまうリスクもある。
— Miori (@mioriescom) April 3, 2022
これだけ跳ねる可能性と沈むリスクが極端な仮想通貨は稀
時代の流れ次第で天国か地獄かに分かれそう
正確に読めればハイリスクハイリターン銘柄になり得る
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