今回は、銀座の会員制クラブの「売掛(うりかけ)」についてまとめました。

銀座の会員制クラブの売掛とは
銀座の会員制クラブという、完全紹介性の高級クラブには、売掛制度というものがあります。
銀座ならではの制度です。
しかし他の地域や、同じ銀座の中でもキャバクラやニュークラブには売掛制度は存在しません。
完全紹介性の会員制クラブのみに、昔からのしきたりで売掛制度があるのです。
売掛は、信頼関係の築けているお客様とホステスが、当日のお支払いをせず、後日まとめてお会計をするというお会計方法です。
銀座はお客様とホステスの信頼を大切にしている街ですから、その信頼関係で、売掛制度が一部で行われ続けています。
本来の、会計上の売掛の意味はこちらです。→【 売上債権とは 】売掛金・受取手形・未収入金まで分かりやすく解説
現在は、売掛を嫌がるホステスが多いため(ホステスからするとリスクしかないため嫌がられるため)、昔よりは売掛のお客様が激減しています。
そのリスクについて説明していきます。
売掛が支払われなかった場合
お客様が売掛を2ヶ月以内に支払わなかった場合、そのお客様の係が売掛金を全額負担することになります。(小計とかでなく全額)
※期間は2ヶ月以内と決まっています。
実際の流れは下の通りです。
①お客様の売掛が2ヶ月間支払われないと、そのホステスのお給料から売掛が支払われることになる
②お客様の売掛金額が、その2ヶ月後のホステスのお給料でも足りなかった場合、その後のホステスのお給料から引かれ続ける
たまに、2ヶ月後の1ヶ月分のお給料でも足りない場合があるため、その場合は払い終えるまで給料から引かれ続けることになるのです。
なんとも恐ろしいシステムです。
だからホステスは、リスクしかない売掛を最も嫌がるのです。
売掛のリスク
売掛のリスクは、全てホステスが抱えることになります。
なぜなら、システム上、ほぼお店とお客様はノーリスクだからです。
お店側からすると、お店は一切負担しないし、お会計がホステスのお給料から引かれる形になるため、そのホステスの身元が分かっていれば回収できます。
そして面接時に身元を全て明かしているため、ほぼほぼ回収できる見込みとなります。
お客様からしても、無料で飲むことができ、特にホステスに身元を明かしていない場合は追及さえもされない状況になります。
そのため売掛は、お客様の身元が判明していないと厄介なことになるのです。
実際に体験した売掛の手口
銀座にも、常習犯であえて売掛で無料で飲もうとする詐欺師みたいなお客様が稀にいるのです。(9割はお堅いお客様なのですが、実際におられました。)
そのお客様の売掛の手口はこうでした。
①移転したホステスのところへ飲みに行く
②あえてきれないキャッシュカードを持っておき、それをお会計時に渡す
③カードがきれないため現金を請求すると、現金は保有していない
④後日支払いに来ると言い残す
⑤それ以来来店しないし連絡もつきづらくなる
前店ではそのお客様は売掛をしたことがないお客様だったため、信頼してしまったことが私のミスでした。
実際に売掛を回収した方法
ここからは、実際に私が売掛を回収した方法について解説します。
私は、基本売掛をしないと決めていました。
しかし、戦略的に売掛をし続けているお客様が飲みにいらして、知らずに売掛支払いとなってしまったことが1回ありました。(上記の手口で)
私は、たまたま前の店舗にいた時に、お食事先にお連れ様がいて、そのお連れ様のお名刺をいただいていました。
そのため、そのお連れ様にご連絡させていただくと、そのお連れ様が振り込んでくださいました。
だから解決できました。
しかし、もしお連れ様のお名刺をいただいていなかったら、回収が不可能になっていたと考えられます。
しかしそうなっていたら、私は弁護士に依頼しようと思っていました。
回収できなかった人も多かった
ちなみにそのお客様の共通のホステスに聞いたところ、同じ手口で売掛を支払ってもらっていませんでした。
他にも多数の売掛未払いのホステスがおり、常習犯だったようです。
その方々は、お連れ様がいなかったため(そのお客様単体だったため)身元が不明で回収できなかったようです。
私はたまたま回収できたラッキーな方でした。
その他に実際にみた売掛の例
600万円売掛未回収
他のホステスさんで、600万円ほど売掛未回収だったお話もお聞きしました。
まだ関係が浅かったけど、移転した記念にシャンパンをたくさんあけてくださったそうですが、身元不明でそのまま飛ばれたとのことでした。
その後半年ほど、売掛のために給料なしで出勤し続けたそうです。
実際にそんな事があるのかと恐ろしくなりましたが、これが銀座の高級クラブの恐ろしさですね。
係であれば、信頼関係がまだ浅い場合は身元は必ず把握しておきましょう。
億単位での売掛未回収
億単位での売掛未回収の例も目の当たりにしました。
他のクラブで売掛を飛んだことがあるとの噂があるお客様でした。(銀座村は狭いため、売掛などの危険な情報は、お店同士で共有されている事が多いです。)
しかし、身元を特定できると考えられているのか、戦略的にそのまま売掛でお会計額をあえて増し続けさせている例がありました。(回収できなければ出禁になるため、ホステス側が回収できると見込んでいた可能性があります。)
その後回収できたかは不明でしたが、どうなったのでしょう。
額も額ですし、トラブルになるときは大きなことになりそうですね。
売掛で飛ぶお客様の特徴
売掛で飛ぶお客様には、ある程度共通点があります。
・よく笑っているもしくはニコニコしている
・目が笑っていない
・口が上手い
・ノリが軽い
・係やお気に入りのホステスがたくさん存在する
・長く信頼関係を築けているホステスがいない
・悪い噂がある(狭い街のためすぐに噂が広がる)
・言葉に矛盾が生じている
・身元を明かさない
・なんの仕事をしているか不明
・個人情報を問われるのを嫌う
一概には言えませんが、口が上手い・目が笑っていない・矛盾が生じているはほぼほぼ共通しています。
しかしこれは常習犯の場合のため、1回のみの売掛飛びの場合だとまた特徴が変わるのかもしれません。
売掛関係で少しでも悪い噂があるのであれば、すぐに縁を切りましょう。(ホステスは皆売掛が嫌いなため、教えてくれる事が多いです。お店によっては教えてくれることもあります。)
まとめ
売掛で飛ぶお客様のお話をしましたが、銀座の会員制クラブには、良心的で信頼できるお客様の方が圧倒的に良いです。
クラブの中では、日本で一番信頼できるお客様が集まっています。
しかし、一定層ではこのような危険な常習犯なども潜んでいるため、人を見極める能力をつけたり、少しでも怪しいと思った場合は縁を切るようにしましょう。
売掛制度のないところでは良いのですが、売掛制度のあるところでは命取りになるからです。
ハイリスクハイリターンな世界ですね。
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